■安部日薬常務理事が指摘
服用薬剤調整支援料は、薬局が医療機関と連携して内服薬を減らす取り組みを評価するもの。6種類以上の内服薬が処方されていた患者に対して薬剤師が文書を用いて処方医に提案し、患者に処方される内服薬が2種類以上減少した状態が4週間以上継続した場合、月1回に限り算定できる。
安部氏は、同加算について、薬剤師が医師に提案するという取り組みを行ったとしても、「算定できるかどうかは、実際に処方薬が減った状態が継続するという結果、アウトカム次第」になると指摘。ただ、「起点は薬局の薬剤師による医師への情報提供になる」ことから、「服薬情報提供という業務にしっかり取り組むことが重要」との考えを示した。
16年度改定では、医科点数において薬局との連携管理加算として「薬剤総合調整管理料連携管理加算」(50点)が新設されたものの、医療機関の算定件数は伸びなかった。安部氏は、今回、薬局側から連携をアプローチする仕組みができたことで、「双方向の関係になった」とし、「薬局は医療機関としっかり連携することが大事」と語った。
その上で、過去の調剤報酬改定を振り返り、「今までは薬剤師が患者・顧客のことを知り、最適な薬物療法を提供することによって、QOL改善、病気を治すというプロセスが重視されてきたのではないかと思っている」と説明。「プロセスが正しくなければ正しい結果も出ない」ことから、「プロセスも大事」になるが、「アウトカムにどれだけ関与したかという部分はもう一度見直さなければならないと思っている」との考えを示した。
スポーツジムを例に挙げ、利用者に場所とトレーニング器具を提供し、トレーナーが器具の使い方やアドバイスを行うというところが多い中、日薬の常務理事が通い、「みるみる痩せていってる」という某有名スポーツジムでは、毎回の食事内容を写真に撮って送らせるなど、「とことんその人の状況を把握した上で、何をしたらいいかを提案していて、強い関与をしている」と説明。
安部氏は、「調剤をして正しく服用できるよう説明しているだけの薬局は、ジムでいえば場所と器具を貸しているだけになる」とし、「薬剤師が患者の状態をしっかり把握して責任を持って関与する。それが結果にコミットするということでもあるし、それがあってこそのかかりつけ薬剤師だと思っている」と語った。