HIV治療薬として使用される世界初のインテグラーゼ阻害剤
MSD株式会社は5月14日、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)インテグラーゼ阻害剤「アイセントレス(R)錠600mg」(一般名:ラルテグラビルカリウム)に関し、「HIV感染症」の効能・効果で、製造販売承認を取得したと発表した。
HIV感染症は、HIVがCD4陽性リンパ球などの免疫担当細胞に感染することで免疫系が徐々に破壊され、エイズ(免疫不全状態)を発症する進行性の疾患。日本のHIV感染者の新規報告件数は、2008年に1,126件のピークに達した後も毎年1,000件以上あり、エイズ患者の新規報告件数も毎年400件以上となっている。
ラルテグラビルカリウムは、世界初のHIVインテグラーゼ阻害剤であり、2008年6月に日本で承認された。以降、HIV感染症の治療薬「アイセントレス錠400mg」の製品名で、成人に対して1日2回(1回1錠)の経口投与の用法・用量で使用されている。今回の承認は、新たな製剤である600mg錠の、1日1回(1回2錠)の経口投与の用法・用量となる。
服薬負担の軽減や、服薬アドヒアランスの向上に貢献
HIVインテグラーゼは、HIVウイルスの複製段階において、HIVのDNAが宿主のDNAに組み込まれる過程を触媒する酵素。ラルテグラビルカリウムはHIVインテグラーゼを阻害することにより、HIVウイルスの新たな複製を抑制する。
アイセントレス錠600mgは、アイセントレス錠400mgと同様に食事の有無に関わらず投与することが可能。さらに1日1回投与という利便性により、患者の服薬負担の軽減や服薬アドヒアランスの向上への貢献が期待されている。
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・MSD株式会社 ニュースリリース