富士フイルム富山化学株式会社を設立、富山化学を完全子会社化
富士フイルムホールディングス株式会社は5月14日、診断薬・治療薬の新薬開発を加速させるため、低分子医薬品の研究・開発・製造・販売を行う富山化学工業株式会社と、放射性医薬品の研究・開発・製造・販売を行う富士フイルムRIファーマ株式会社を、2018年10月1日付で統合し、富士フイルム富山化学株式会社としてスタートさせることを決定したと発表した。さらに新会社発足に向け、大正製薬ホールディングス株式会社と、同社が保有する富山化学の全株式を取得し、2018年7月31日に富山化学を完全子会社化することで合意した。
現在、同社は、富山化学の低分子医薬品、富士フイルムRIファーマの放射性診断薬・治療薬を中核として医薬品事業を展開している。今回の統合は、昨今、有効な治療方法がないなどの理由で満たされていないアンメットメディカルニーズが高い「がん」「中枢神経疾患」「感染症」領域への対応を目指すとともに、診断薬・治療薬の新薬開発のスピードアップ、「診断」と「治療」の連携強化をより一層図ることを目的としている。
診断と治療の連携強化でアンメットメディカルニーズに対応
富士フイルムグループは既に、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」の国内製造販売承認の取得、アルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」の日米臨床試験、新規放射性医薬品の開発・販売などを進めている。また、写真フィルムで培った、化合物の合成力・設計力や解析技術、ナノ分散技術などの高度な技術を活かして、新規抗がん剤の研究開発や、必要や量の薬剤を必要な部位に必要なタイミングで送達するドラッグ・デリバリー・システム(DDS)の技術開発に取り組んでいる。
統合会社となる富士フイルム富山化学は、新薬の研究などを行う富士フイルムと連携し、アンメットメディカルニーズが高い「がん」「中枢神経疾患」「感染症」領域において、新規の放射性診断薬・治療薬、独自の作用メカニズムを持った治療薬の開発を行っていく予定。さらに、DDSのさらなる技術開発も推進。既に開発したリポソーム製剤技術やマイクロニードルアレイを、既存薬のみならず、次世代医薬品として期待されている核酸医薬品や遺伝子治療薬へ応用展開していきたいとしている。
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・富士フイルムホールディングス株式会社 ニュースリリース