厚生労働省は14日、学童期までの小児を対象とした「抗微生物薬適正使用の手引き」の改正素案を、厚生科学審議会の作業部会に示した。小児の急性気道感染症は、二次性の細菌感染症により増悪する可能性が高いとしつつ、いわゆる“かぜ”には成人と同様、抗菌薬を投与しないことを推奨。抗菌薬の予防的な投与も行わないよう求めた。生後3カ月未満の新生児の気道感染症は重篤な疾患が含まれるため、手引きの対象外とした。
手引きの素案は、主に学童期までの小児でも急性気道感染症に焦点を当て、急性気道感染症の特徴と注意点、各論で構成。その中で、小児のかぜに対して使われやすく、気をつけるべき薬剤として、ST合剤、セフトリアキソン、マクロライド系抗菌薬、テトラサイクリン系抗菌薬、オセルタミビルなどを列挙。これら多くの対症療法薬にはエビデンスが存在せず、副作用も報告されているとし、使用に当たって添付文書の記載に注意が必要と促した。