ステージIII悪性黒色腫対象にRFSを有意に延長
MSD株式会社は5月10日、抗PD-1抗体「キイトルーダ(R)」(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))について、悪性黒色腫の術後補助療法としての製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。
キイトルーダは、T細胞に主に発現する受容体PD-1と、腫瘍細胞に発現するそのリガンドPD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害する抗体。同剤はPD-1に結合し、この受容体とリガンドとの結合を阻害することで、T細胞に生じたPD-1経路を介する抗腫瘍活性の抑制を解除する。
同剤の国際共同第3相試験「EORTC1325/KEYNOTE-054試験」では、完全切除後の再発リスクが高いステージIIIの悪性黒色腫患者に対する同剤の術後補助療法を評価した。その結果、プラセボと比較して、無再発生存期間(RFS)を有意に延長したことが示されている。
ステージIIIB患者の10年生存率は約43%、IIICでは約24%
皮膚がんのうち最も深刻とされる悪性黒色腫は、色素産生細胞の増殖が制御困難になるのが特徴。日本では約4,000人が罹患し、年間約600人が死亡していると報告されている。
ステージIIIの悪性黒色腫は、所属リンパ節まで広がる腫瘍で、原発腫瘍および転移したリンパ節を外科的切除しても、ほとんどの患者が再発し転移性に進行する。ステージIIIBの患者の10年生存率は約43%で、ステージIIICになると約24%となる。
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・MSD株式会社 ニュースリリース