心疾患患者の負担となるPT-INR測定
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は5月8日、積水メディカル株式会社を通じて、自己検査用血液凝固分析器「コアグチェック(R)INRange」を発売すると発表した。
画像はリリースより
両社は、2008年より医療機関向けの血液凝固分析器「コアグチェック」シリーズについて提携をしており、今回の製品についてもロシュ・ダイアグノスティックスが製造販売元となり、積水メディカルが販売する。同製品の適用は、植込型補助人工心臓(非拍動流型)または機械式人工心臓弁を装着している患者および先天性血栓性素因を保有している患者となる。
日本人の死因第2位となっている心疾患の総患者数は、2014年に約173万人に達し、増加傾向にある。現在、植込型補助人工心臓(非拍動流型)または機械式人工心臓弁を装着している患者に対しては、経口抗凝固剤のうちワルファリンカリウムが第一選択薬として推奨されている。同剤を服用する場合には、抗血栓効果(血液凝固能)を管理するために、月に1回程度医療機関でPT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)を測定し、モニタリングする必要がある。
服薬・測定などのリマインダー機能も搭載
コアグチェック INRangeは、医師の指導管理のもと、患者自身が在宅でPT-INRを測定するための小型分析器。指先の穿刺による全血を検体とし、約1分間でPT-INRを測定できる。従来機の「コアグチェック XSパーソナル」に比べ、デザインを一新し、より使いやすく操作性が向上している。画面上で測定結果のグラフ表示ができ、USBを使用してPC上での表示・印刷も可能だ。また、服薬・測定などのリマインダー機能も搭載し、PT-INR値のより効果的な管理を支援している。在宅での自己測定が可能となることで患者の負担が軽減され、早期治療への対応も可能となることでのQOL向上が期待されている。
なお、現時点では機械式人工心臓弁を装着している患者および先天性血栓性素因を保有している患者については、同製品を用いた在宅での血液凝固能検査に対しての保険償還価格は設定されていない。
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・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース