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慢性腎臓病におけるエンパグリフロジンのP3試験をオックスフォード大と提携-独ベーリンガーら

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2018年05月01日 AM11:15

オックスフォード大学が臨床試験を実施、解析、報告

独ベーリンガーインゲルハイムと米イーライリリー・アンド・カンパニーは4月16日、慢性腎臓病患者の腎および心血管イベントに対するエンパグリフロジンの有効性と安全性を評価するEMPA-KIDNEY試験について、オックスフォード大学との提携を発表した。

同試験は、糖尿病の有無に関わらず、慢性腎臓病患者における腎イベント(腎臓病の進行など)と、(心血管死など)に対するエンパグリフロジンの有効性と安全性を評価するもの。臨床試験サービスユニットおよび疫学研究ユニット(CTSU)を拠点とするオックスフォード大の医療研究協議会公衆衛生ユニット(MRC PHRU)が独立した立場で実施、解析、報告する予定で、ベーリンガーとイーライリリーが試験に必要な資金を提供する。

標準治療を受けている慢性腎臓病患者約5,000名を対象に

EMPA-KIDNEY試験は、エンパグリフロジンの有効性・安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の国際共同P3試験。腎臓病の進行および心血管死のリスクという臨床的に重要なアウトカムに対する同剤の有効性と安全性を評価する。主要評価項目は、腎臓病の進行(末期腎不全(透析や腎移植などの腎代替療法が必要)、eGFR 10mL/min/1.73m2未満への持続的な低下、腎疾患による死亡、eGFRの40%以上の持続的低下(無作為化後))、心血管死、いずれかのイベントが起きるまでの期間として定義されている。糖尿病の有無に関わらず、現在標準治療を受けている慢性腎臓病の患者が対象となり、約5,000名の被験者を標準治療にエンパグリフロジン10mg1日1回、またはプラセボを上乗せする群に無作為化して評価する予定だ。

今回の慢性腎臓病患者を対象にしたアウトカム試験の実施は、EMPA-REG OUTCOME(R)試験から得られた結果の考察に基づくものである。この試験では、心血管疾患を有する2型糖尿病患者に対して、標準治療にエンパグリフロジンを上乗せした場合の心血管アウトカムに関する長期の安全性を、プラセボと比較して評価した。この試験の被験者の約3分の1は、ベースライン時で慢性腎臓病を有していた。この試験の副次評価項目では、腎臓病の新規発症または悪化の複合イベントのリスクの検討が行われ、その相対リスクの低下に関して良好な結果を示した。試験データは、慢性腎臓病患者において、同剤が腎臓病の進行速度を遅らせ、心血管イベントのリスクを低下させる可能性を示唆。今回の試験はこのデータについてより理解を深め、同剤が慢性腎臓病患者の新たな治療選択肢となる可能性があるとして、今後の発表に期待が寄せられている。

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