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明薬大と結核予防会が協定-臨床教育、研究で連携強化

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2018年04月27日 AM10:15

明治薬科大学と結核予防会は24日、薬学教育と研究等を協力して進める公学連携協力協定に調印した。キャンパス移転20周年を迎える明薬大は、同じ清瀬市内に立地する複十字病院、結核研究所と連携を深めることで、共同研究や病院実習等の臨床教育を充実させ、北多摩地域の医療に貢献したい考え。具体的な連携内容に関しては今後両者で詰める予定にしている。

協定書を交わす結核予防会の工藤理事長(左)、明薬大の奥山理事長

明薬大は、1998年に清瀬市内にキャンパスを移転。2006年に6年制薬学教育がスタートし、実務実習が義務づけられると、病院実習で同じ市内の結核予防会の臨床部門である複十字病院に学生を派遣するなど、臨床教育に関して協力関係にあった。今回、こうした関係をさらに発展させるため、結核予防会と教育、研究、臨床分野で連携する協定を締結。24日に調印した。

調印式で明薬大の石井啓太郎学長は、「これまで11週間の病院実習では、同じ地域の複十字病院にも毎年学生を送り出しており、卒業後も7人の学生が就職している。清瀬キャンパスに移転して20年が経過する中、お互いがより密接に地域の活性化や地域医療に貢献をしていきたいと考えた」と説明。「清瀬市には予防会の結核研究所もあるので、複十字病院の臨床現場を活用して教育面で連携を強めるだけではなく、共同研究でも連携していけるのではないか」と期待感を述べた。

結核予防会の工藤翔二理事長は、「かつて結核は死の病だったが、ストレプトマイシンの発見後、様々な抗結核薬が登場して、現在では治せる病気になってきたが、世界的に患者の5%は多剤耐性結核であり、耐性に有効な新薬が望まれている」と創薬の重要性を強調。一方で、地域包括ケアシステムの進展に言及。「高齢者を地域ぐるみで守っていかなければならない時代に、病院、、介護施設等が一体となっていく必要がある。その中で薬局薬剤師の役割が重要になると思っており、医薬の連携が非常に大切になるだろう」と述べた。

さらに、結核予防会と明薬大の発祥の地が同じ神田三崎町であることにも触れ、両者の深い縁を強調した。明薬大の奥山徹理事長も「本学と深い縁で結びついている」と応じ、複十字病院などとの連携をさらに強めていきたいと語った。

具体的な連携内容については固まっていないが、石井学長は、今後両者でプロジェクトチームを構成し、連携の進め方について検討に着手していくと説明。5年次の独自研修カリキュラムである病院薬学コースの独自実習について、複十字病院に受け入れを依頼したい考えを示した。研究面では、両者でシンポジウムを開催し、お互いの研究内容を理解することから始めたいとしている。

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