DNA損傷応答機能を活用した新規作用機序
アストラゼネカ株式会社は4月18日、「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法」を効能・効果として、「リムパーザ(R)錠(300mg1日2回投与)」(一般名:オラパリブ)の販売を開始したと発表した。
画像はリリースより
リムパーザは、日本初のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤。DNA損傷応答(DDR)機能を活用した新規作用機序を持ち、DNAの相同組換え修復機構が機能していないがん細胞で特異的に細胞死を誘導する。
安全性を保ちながらの死亡リスク低下に期待
再発卵巣がんは根治が困難であり、延命やQOLの改善を目的とした治療が行われる。リムパーザは、がん細胞に特異的にはたらく分子標的薬であることから、忍容可能な安全性プロファイルを保ちながら、病勢進行や死亡リスクを下げることが期待される。また、経口剤のため、注射による疼痛や点滴のために必要な時間的拘束といった患者負担の回避にも期待が寄せられる。
なお、アストラゼネカは、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもと、2018年1月19日の製造販売承認取得以降、薬価収載前日までに限定して、同剤の無償提供を実施していたが、今回の薬価収載にともない終了した。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース