標準療法であるプラチナ製剤化学療法と比較
米Merck社は4月9日、局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC、非扁平上皮および扁平上皮がん)に対する初回治療として抗PD-1抗体の「KEYTRUDA(R)」(一般名:ペムブロリズマブ)の単独療法を評価する第3相検証試験 (KEYNOTE-042)において、主要評価項目の全生存期間(OS)を達成したと発表した。
ペムブロリズマブは、腫瘍細胞を検出し攻撃する体の免疫機能を向上させる、抗PD-1抗体。PD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害することで、腫瘍細胞と正常細胞の両方に作用するTリンパ球を活性化させる。
KEYNOTE-042は、局所進行または転移性PD-L1陽性(TPS≧1%)NSCLC患者に対するペムブロリズマブ単独療法を、標準療法であるプラチナ製剤化学療法と比較した国際無作為化非盲検第3相試験。EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子が認められず、進行性疾患に対する全身療法歴のない患者が対象。主要評価項目ではTPSが50%以上、20%以上、1%以上の患者のOSを順次評価した。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)と奏効率(ORR)。1,274名の登録患者を、ペムブロリズマブ(固定用量200mgを3週間毎)の単独療法を行う群と、治験責任医師が選択するプラチナ製剤による化学療法を行う群に1:1の割合で割り付けた。
TPS1%以上の全患者でOSの有意な延長示す
同試験の独立データモニタリング委員会(DMC)による中間解析では、PD-L1発現の割合が1%以上の患者において、ペムブロリズマブではプラチナ製剤併用化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルまたはカルボプラチン+ペメトレキセド)と比較してOSが有意に延長したことが示された。また、事前に規定された解析計画に従い、OSを順次検討したところ、TPSが50%以上の患者、20%以上の患者、1%以上の全患者でOSの有意な延長が示されたという。
なお、同試験における同剤の安全性プロファイルは、進行NSCLC患者などの単独療法の試験でこれまでに報告されているものと一貫していた。また、DMCからの提言に基づき、引き続き副次評価項目のPFSを評価するとし、今後の学会で発表、規制当局に提出するとしている。
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・MSD株式会社 ニュースリリース