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がんの遺伝子改変T細胞療法の共同開発・独占販売契約締結-大塚製薬とタカラバイオ

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2018年04月12日 AM11:15

タカラバイオ創製の2つの遺伝子治療薬に関して

大塚製薬株式会社とタカラバイオ株式会社は4月9日、タカラバイオが創製した「NY-ESO-1・siTCR(TM)遺伝子治療薬」(開発コード番号:TBI-1301、TBI-1301-A)および「CD19・」(開発コード番号:TBI-1501)の日本国内における共同開発・独占販売に関する契約を締結したと発表した。

NY-ESO-1・siTCR遺伝子治療薬は、がん患者から採取したリンパ球(T細胞)にがん細胞を特異的に認識するTCR()遺伝子を体外で導入し、培養・増殖させた後に治療薬として患者に輸注する。TCR遺伝子が導入されたリンパ球が、がん細胞を特異的に認識して攻撃し、消滅させる効果が期待されている。タカラバイオは、TCR遺伝子を導入するにあたり、独自技術であるsiTCRベクター技術を用い、内在性TCRのバックグランドを抑え、目的のTCRが効率的に発現するようにしているという。現在、日本国内においては、滑膜肉腫を対象とした第1/2相試験を実施中。また、同治療薬は、2018年3月27日に厚生労働省の「」の対象品目に指定されている。

CD19・CAR遺伝子治療薬は、急性リンパ芽球性白血病を含む多くのB細胞性リンパ腫のB細胞の表面に発現している抗原「CD19」を特異的に認識するCAR(キメラ抗原受容体)の遺伝子を、患者由来のリンパ球に導入し、再び輸注することにより、治療を行う。現在、日本国内においては、成人の急性リンパ芽球性白血病を対象とした第1/2相試験を実施中だ。

契約一時金・マイルストン達成金は最大約63億円

今回の契約に基づき、今後両社は協力して日本国内における両治療薬の早期の製造販売承認に向けて開発を進める。タカラバイオは製法検討、試験製剤の製造、品質管理を、大塚製薬は臨床試験、製造販売承認申請・取得、安全性情報の収集を行う。製造販売承認取得後には、タカラバイオは国内で両治療薬を製造、大塚製薬は販売をそれぞれ独占的に担う。また、同契約の適応は全適応症で、アジア地域9か国については、大塚製薬が優先交渉権を保持するという。

なお、この契約締結に伴い、大塚製薬はタカラバイオに契約一時金および開発の進捗に応じたマイルストン達成金を支払う。上市後、タカラバイオは大塚製薬に両治療薬を有償で供給し、NY-ESO-1・siTCRTM遺伝子治療薬については、大塚製薬は売上高に応じたロイヤルティとともに、売上高目標達成の際にはマイルストン達成金をタカラバイオに支払う。上記の契約一時金およびマイルストン達成金は合計で最大約63億円としている。

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