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【理化学研究所】iPS細胞の創薬研究拠点、けいはんな学研都市に完成

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2018年04月11日 AM10:30

理化学研究所バイオリソース研究センター()のサテライトとして「iPS細胞創薬基盤開発連携拠点」が、京都府の関西文化学術研究都市()内に完成した。約1年前に担当チームが発足し、京都大学iPS細胞研究所()内で準備を開始。今年4月から同拠点に移り、本格的な研究を開始した。BRCが保存する疾患特異的iPS細胞を創薬に活用するための基盤研究を推進すると共にリソースを提供し、大学や製薬会社の創薬を支援する計画だ。

高機能機器類が設置された拠点

同拠点に設置されるiPS創薬基盤開発チームは、患者由来の疾患特異的iPS細胞から様々な疾患を再現した細胞を分化誘導する研究に取り組む。それを使った病態メカニズムの解析や薬のスクリーニング、薬効評価なども実施する。その過程を通じて、iPS細胞を活用した創薬や病態解析に必要な一連の基盤技術を開発する。

大学や製薬会社が低コスト、短時間で効率良くiPS細胞を使った創薬に取り組めるように、開発した基盤技術に磨きをかけて、細胞培養系の改善やアッセイの簡便化などを推進。実用化や一般化を目指した創薬技術研究を先導する。

こうして確立したシーズや技術を最終的には大学や企業に導出、移転し、iPS細胞を使った創薬を支援したい考えだ。

同拠点は、けいはんなプラザ内のスーパーラボ棟1階などに設けられた。企業からの寄付も得て、共焦点レーザー超解像顕微鏡やイメージアナライザーなど各種機器を設置。スタッフ数は8人でスタートし今後10人に増員する計画だ。

理研は筑波地区にBRCを設置し、マウス、細胞、DNA、植物など多種多様な生物実験材料の収集や保存、提供を実施。疾患特異的iPS細胞は300疾患、患者3000株を保存している。これまで国内外の多数の機関に約25万件の生物実験材料を提供してきた。

その利活用を促進するため関連技術の開発や情報基盤の整備にも力を入れており、その一環として同拠点が整備された。

けいはんなプラザで9日に開催された開所式典であいさつした理研の松本紘理事長は「理研が経営方針として掲げる科学力展開プランの一つとして、イノベーションを起こすような科学技術を大学や産業界にどうつないでいくか、地域にどう貢献するかが重要だと認識している」と言及。「そうした観点からCiRAと連携してiPS細胞を理研のBRCで預かっている。それを研究材料として創薬に役立てたいという、CiRAの山中伸弥所長の強い希望も受けて、この地域にiPS細胞の利活用を促進するための研究基盤を整備することになった」と語った。

また、山中所長は「再生医療や創薬という形でiPS細胞の医療応用が近づきつつある。厚生労働省に指定されている難病だけで300以上ある。一つの研究所だけで全ての病気をカバーできない。この連携拠点は、私たちの研究所にとって非常に大きなパートナー。それが近くにできた、しかも、ふるさとのように感じているけいはんな地区にできたことをとてもうれしく思っている」と話した。

多数の来賓を招き開所式典が行われた
  • 多数の来賓を招き開所式典が行われた
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多数の来賓を招き開所式典が行われた

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