日本CRO協会は、2017年の会員総売上高が前年比11.7%増の1925億円に拡大したと発表した。賛助会員として新規入会した6社を除いた総売上高は8.1%増となった。モニタリング業務がほぼ二桁の伸びを示し、ファーマコビジランス業務も拡大している。今年は5.5%増の2031億円と堅調に推移する見込みで、2000億円を突破する可能性が高まっている。
総売上高に占める医薬品開発関連業務売上は6.6%増の1693億円となり、全体の88%を占めた。医療機器開発関連業務は36.8%増の47億円と拡大し、臨床研究業務は36億円となった。
業務別では、モニタリング業務が9.9%増の1009億円と1000億円を突破した。13年比で見ると2.3倍の市場規模になっている。データマネジメント業務は5%増の244億円、統計解析は14.4%増の67億円、GVP関連のファーマコビジランス業務は9.8%増の172億円と順調に伸びた。登録・データセンター業務は、EDC普及により登録業務が減り、15.7%減となった。
フェーズ別売上高は、第III相試験が7.8%増の714億円と増加した一方、第II相試験が13.7%減の156億円と落ち込んだ。第I相試験は21%増となった。製造販売後調査等は、11.4%増の167億円だった。
モニタリング業務での疾病領域で見ると、腫瘍、代謝性疾患、中枢神経系の順にプロジェクト数が多かった。国際共同治験の割合は前年の31.8%から37.2%、EDCの割合は66.0%から77.8%に拡大した。
会員社の総従業員数は、前年より1590人増加し、1万7261人。モニタリング業務を行う協会所属のCRAは638人増加し、7165人となった。今年度の新卒社員数は1022人を予定し、1000人を超える見通しだ。
今年もモニタリングとファーマコビジランスの二つの業務が伸び、5%台の成長を予測。臨床研究は臨床研究法が4月から施行されるが、本格化にはまだ時間がかかるとしている。