シスメックスと共同開発したがん関連遺伝子パネル検査システムを用いて
国立がん研究センターとシスメックス株式会社は4月3日、共同で開発を進めてきたがん関連遺伝子パネル検査システムを用いて行う「個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査」が、4月1日に先進医療として承認され、4月9日より開始すると発表した。
がん治療においては、がんの確定診断に加え、薬剤の効果予測や、再発モニタリングなど、遺伝子やタンパク質を用いた多くの検査が行われている。なかでも、がん組織の多数の遺伝子を一度に測定することで、その患者のがん固有の遺伝子変化を分析し、がんの診断や治療、抗がん薬の選定に役立つ有用な情報を抽出する「がんクリニカルシーケンス検査」が注目されている。
国がん中央病院で4月9日より検査開始
これまで国がんとシスメックスは、新たながん診断法開発のさらなる促進を目的として、2015年10月に国際品質基準に準拠したSysmex Cancer Innovation Laboratoryを国がん中央病院内に開設するとともに、国がんが開発した遺伝子診断パネル(NCCオンコパネル)およびこれを測定する次世代シーケンサーを用いて患者の検体の網羅的な遺伝子解析を行い、治療方針の決定や投薬の判断などへ活用するがん関連遺伝子パネル検査システムの共同開発を進めてきた。
また、臨床現場での早期活用に向け、国がん中央病院での臨床研究TOP-GEARプロジェクトで検証を行い、がん関連遺伝子パネル検査システムに関する体外診断用医薬品・医療機器の先駆け審査指定制度対象品目として指定を受けるとともに、がん関連遺伝子パネル検査システムを用いて行う個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査の先進医療申請を行ってきた。
同検査が、先進医療として承認されたことを受けて、国がん中央病院にて4月9日より同検査を開始する。また、検査は患者の受診機会拡大を目的に、先進医療協力施設でも実施する予定。採取されたすべての検体は、シスメックスの子会社で、遺伝子受託解析サービスなどを提供する株式会社理研ジェネシスのイノベーションゲノムセンターにおいて測定を実施するとしている。
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・国立がん研究センター プレスリリース