大型血管炎の診断における炎症部位の可視化の適応で
日本メジフィジックス株式会社は4月2日、PET検査用放射性医薬品「FDG スキャン(R)注」について、2月16日付けで「大型血管炎の診断における炎症部位の可視化」を新たな効能として追加する承認を取得し、4月から保険適用となったと発表した。
大型血管炎は、全身の循環動態の根幹部分である大動脈本幹またはその主要分枝において、炎症による狭窄や閉塞が生じる疾患。ともに国の難病に指定されている高安動脈炎と巨細胞性動脈炎からなる。進行すると重大な循環不全に直結し、合併症から死亡に至ることも報告されている。
FDG スキャン注は、2005年に医薬品として承認を取得。悪性腫瘍の診断、虚血性心疾患の診断、難治性部分てんかんで外科的切除が必要とされる場合の脳グルコース代謝異常領域の診断などに幅広く使用されている。今回、大型血管炎の診断に係る効能が追加され、保険診療での使用が可能となった。
評価が困難な炎症部位の特定などが可能に
FDG スキャン注の有効成分であるフルデオキシグルコース(18F)を用いたPET検査は、既存の画像診断法では評価が困難な炎症部位の特定および炎症の程度の評価が可能であるとされている。海外においては英国、ドイツ、フランスなどで大型血管炎に対する効能が既に承認されており、臨床で使用されている。
国内においては、関係学会、患者団体などから「大型血管炎の診断」の効能・効果追加を求める要望書が提出され、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での検討を経て、今回の承認に至った。
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・日本メジフィジックス株式会社 ニュースリリース