重度の喘息発作などを頻回に経験するコントロール不良の気管支喘息患者
サノフィ株式会社は4月2日、「デュピクセント(R)」(一般名:デュピルマブ(遺伝子組換え))について、コントロール不良の気管支喘息に対する治療薬としての適応追加申請を行ったと発表した。
コントロール不良の気管支喘息の患者においては、呼吸機能の低下、重度の喘息発作(増悪)を頻回に経験し、救急受診や入院が必要となることがある。既存の治療薬を使用しても十分なコントロールができない場合もあり、呼吸機能の低下や重度の増悪、経口ステロイド剤の長期投与、生活の質(QOL)の低下に苦しむ患者のアンメットニーズがある。
コントロール不良の気管支喘息には、インターロイキン4(IL-4)やインターロイキン13(IL-13)という2型(Type2)炎症反応のシグナル伝達にかかわるサイトカインのアンバランスや活動亢進という特徴がしばしばみられる。Type2炎症は喘息における増悪のリスクを上げ、呼吸機能の低下をもたらすと言われており、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、鼻茸といった他の2型(Type2)アレルギー炎症性疾患にも関与していると言われている。
アトピー性皮膚炎で承認されているデュピクセント
デュピクセントは、IL-4やIL-13を特異的に阻害するヒトモノクローナル抗体。サノフィとRegeneron社とのグローバル提携契約の下で共同開発が行われている。日本では2018年1月、「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」の治療薬として製造販売承認を取得し、サノフィジェンザイムにより販売される。また、米国、カナダ、欧州連合(EU)、オーストラリアでも、「中等症から重症のアトピー性皮膚炎」の治療薬として承認されている。
なお、米国では、中等症から重症の喘息を有する成人および思春期患者(12歳以上)を対象とした維持療法に追加する治療薬として、米国医薬品局(FDA)が同剤の生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)の審査を2018年3月に開始。処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査期日は、2018年10月20日とされている。また、欧州では、コントロール不良の中等症から重症の喘息を有する成人および思春期患者(12歳以上)を対象とした維持療法に追加する治療薬として、2018年3月はじめに欧州医薬品庁(EMA)への承認申請を提出している。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース