BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がんで申請中のリムパーザ
アストラゼネカ株式会社は3月30日、リムパーザ(一般名:オラパリブ)の乳がん患者への適応判定のために使用するコンパニオン診断プログラム「BRACAnalysis診断システム」の、外国製造医療機器としての国内における製造販売承認を米ミリアド社が取得したと発表した。
リムパーザは、BRCA変異などのDNA損傷応答(DDR)経路に異常をきたしたがん細胞に特異的に作用し、細胞死を誘導するPARP阻害剤。複数のin vitro試験により、リムパーザによる細胞毒性はPARP酵素活性の阻害およびPARP-DNA複合体の生成を増加させる可能性があり、その結果DNA損傷とがん細胞死が生じることが示されている。日本では、2018年1月に白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法を効能・効果として製造販売承認を取得。また、BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がんを予定の適応として国内承認申請中だ。
BRCAタンパク質の機能欠損を生じうる遺伝子変異を検出
BRACAnalysis診断システムは、BRCAタンパク質の機能欠損を生じうる遺伝子変異を検出することで、リムパーザの適応対象となる乳がん患者を特定。アストラゼネカは、ミリアド社の選任製造販売業者として、国内における本品の製造販売申請に関する手続きを行った。
同システムは、患者から採取した全血検体を用いて、BRCA1またはBRCA2遺伝子のバリアントを検出する。検出されたバリアントは、「病的変異」、「病的変異疑い」、「臨床的意義不明のバリアント(VUS)」、「遺伝子多型の可能性」、「遺伝子多型」の5つのカテゴリーのいずれかに分類された後、医療従事者宛に判定結果が送付される。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース