ステージ4の扁平上皮非小細胞肺がんを対象に
スイス・ロシュ社は3月20日、化学療法未実施のステージ4の扁平上皮非小細胞肺がんを対象とした第3相臨床試験「IMpower131試験」において、主要評価項目のひとつである無増悪生存期間(PFS)について、TECENTRIQ(R)(一般名:アテゾリズマブ)と化学療法の併用療法により、化学療法単独と比較して、進行扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療における病勢進行または死亡リスクが低下したと発表した。この結果は、今後開催されるがん関連学会で発表される予定。
TECENTRIQは、国内では、2018年1月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の適応症において、承認を取得している。現在は、同剤の単独または他剤との併用において、肺がんを対象とした8つの第3相臨床試験を実施中。そのうちの5つの試験成績については、2018年中に発表する予定。
中間解析では、統計学的に有意なOS延長は観察されず
IMpower131試験は、TECENTRIQとcarboplatinおよびpaclitaxelの併用療法(A群)または同剤とcarboplatinおよびnab-paclitaxel(Abraxane(R):アルブミン懸濁型paclitaxel)(B群)と、化学療法(carboplatinおよびnab-paclitaxelの併用)(C群)の、有効性および安全性を比較検討した、オープンラベル多施設共同無作為化試験。無作為割り付けは各群1:1:1で、試験には1,021人が登録された。
主要評価項目は「治験参加医師がRECIST v1.1を用いて評価したITT集団におけるPFS(B群対C群)」と「ITT集団におけるOS(B群対C群)」。うち、PFSについては、同剤と化学療法の併用療法により、化学療法単独と比較して、進行扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療における病勢進行または死亡リスクが低下(PFSを延長)したという。
同剤と化学療法の併用における安全性は、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、今回の併用療法で新たな安全性のシグナルは確認されなかった。今回の中間解析の時点では、統計学的に有意な全生存期間(OS)の延長は観察されておらず、試験は計画どおり継続するという。
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・中外製薬株式会社 ニュースリリース