国内初、椎間板内に直接注射する治療剤
生化学工業株式会社は3月23日、腰椎椎間板ヘルニア治療剤「ヘルニコア(R)椎間板注用1.25単位」(一般名:コンドリアーゼ)の国内における製造販売承認を厚生労働省より取得したと発表した。
ヘルニコアは、コンドリアーゼを有効成分とする新規の腰椎椎間板ヘルニア治療剤。国内初となる椎間板内に直接注射する治療剤であり、全身麻酔の必要もなく、手術療法と比較して患者への身体的侵襲が小さいという特徴を有している。
コンドリアーゼは、コンドロイチン硫酸、コンドロイチンおよびヒアルロン酸の分解作用を示し、椎間板髄核中におけるグリコサミノグリカンを分解して髄核の保水能を低下させ、椎間板内圧を低下させることによってヘルニアの臨床症状を改善すると考えられている。
国内では科研製薬が販売予定
今回の承認におけるヘルニコアの効果・効能は、保存療法で十分な改善が得られない後縦靱帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニア。国内においては科研製薬株式会社が販売する予定。発売時期については、薬価基準収載後に発表する。
生化学工業が実施した国内第3相臨床試験では、主要評価項目である投与後13週における最悪時下肢痛の変化量においてプラセボ群と比較して有意な改善が認められた。
現在、腰椎椎間板ヘルニアの治療は、一時的な疼痛の軽減を目的とした安静、非ステロイド性抗炎症薬などによる薬物療法などの保存療法と手術療法の2つに大別される。同剤は、椎間板内圧を低下させることで神経根への圧迫を軽減することから、腰椎椎間板ヘルニアの原因療法の新たな選択肢の1つとして位置づけられるという。また1回の投与で腰椎椎間板ヘルニアの症状改善効果が期待できるため、患者QOL向上への貢献が期待される。
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