重症熱傷と先天性巨大色素性母斑の適応有する自家培養表皮
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)は3月22日、再生医療等製品「自家培養表皮ジェイス(R)」について、表皮水疱症の治療を目的とした一部変更承認申請書を厚生労働省へ提出したと発表した。
画像はリリースより
ジェイスは、2007年に重症熱傷を適応対象として製造販売承認を取得した国内初の再生医療等製品。2011年には、表皮水疱症の治療を目的とした希少疾病用再生医療等製品に指定されている。
同社は2012年以降、ジェイスの適応拡大を目指し、表皮水疱症と先天性巨大色素性母斑を対象とした臨床試験を進めており、2016年には先天性巨大色素性母斑の治療を目的とした適応追加の承認を取得。今回、2016年に北海道大学病院にて実施された医師主導治験の結果も踏まえ、厚労省へ表皮水疱症の治療を目的とした一部変更承認申請を行った。
国内患者数500~640人の遺伝性皮膚難病「表皮水疱症」
表皮水疱症は、日常生活でのちょっとした刺激や摩擦により、全身の皮膚や粘膜に水疱やびらんを繰り返し潰瘍が発生する遺伝性の皮膚難病。水疱のできる部位により、主に単純型(表皮内)、接合部型(表皮基底膜透明帯)、栄養障害型の3タイプに大別される。国内の患者数は、およそ500~640人、その内重症は320人程度と推定されている。
ジェイスによる表皮水疱症の治療は、患者本人の皮膚組織を培養することで製造したジェイスを、再発性や難治性のびらん・潰瘍部分に移植し、速やかに上皮化するもので、これにより、感染防止、疼痛の軽減など、患者の症状の改善が期待できるという。