ロシュ社が開発した持続型の赤血球造血刺激因子製剤
中外製薬株式会社は3月20日、「腎性貧血」を効能・効果として販売を行っている持続型赤血球造血刺激因子製剤「ミルセラ(R)注シリンジ」(一般名:エポエチン ベータ ペゴル(遺伝子組換え))の低含有量製剤「ミルセラ(R)注シリンジ12.5μg」について、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。
ロシュ社が開発したミルセラは、エポエチンベータをPEG化することにより血液中での安定性を高めた持続型の赤血球造血刺激因子製剤(ESA)。骨髄の赤芽球系前駆細胞に存在するエリスロポエチン受容体を持続的に刺激することで、安定的かつ持続的な貧血のコントロールを可能にした腎性貧血治療薬だ。日本においては2011年7月に腎性貧血を適応症として販売を開始。現在では、米国を含む世界100か国以上で発売されている。
臨床現場で望まれていた低含量規格製剤
現在、ミルセラは25μg、50μg、75μg、100μg、150μg、200μg、250μgの計7規格を販売し、多くの腎性貧血患者の治療に使用されている。一方で、臨床現場から、より細やかな用量調整ができるよう、さらなる低含量規格製剤が望まれていた。そこで、中外製薬では、腎性貧血患者の治療およびQOLの向上に貢献するため、12.5μg製剤の開発に着手し、製造販売承認申請を行っていた。
中外製薬は、今回承認された「ミルセラ注シリンジ12.5μg」が、日本の患者の治療満足度の向上に寄与できることを期待するとしている。
▼関連リンク
・中外製薬株式会社 ニュースリリース