大腸がん患者を対象に実施
国立がん研究センターは3月14日、大腸がん患者を対象とした8Kスーパーハイビジョン技術を用いた腹腔鏡手術システムの臨床試験を開始したと発表した。このシステムは、国がんとNHKエンジニアリングシステム、オリンパス株式会社、株式会社NTTデータ経営研究所が、日本医療研究開発機構「8K等高精細映像データ利活用研究事業」の支援により開発したもの。
画像はリリースより
8K映像は、従来のハイビジョンの16倍にあたる3300万画素の超高精細画像で、その密度は人間の網膜に迫るといわれている。同プロジェクトは、この8K技術を用いた新腹腔鏡手術システムの開発と、実用化・普及を目指し、2016年度に開始した。
先進医療での実施目指し準備進める
2017年度には、新腹腔鏡手術システムの試作品が完成。動物実験や医療機器安全性検査等を通して、性能を検証してきたという。その結果、腹腔鏡と8Kカメラ全体として解像度や色再現性、実物感など8K映像の性能を十分発揮できること、医療機器としての安全性を一定レベルで確保できることを確認したことから、今回の臨床試験開始に至ったとしている。
8K技術の医療応用におけるヒトを対象とした臨床試験は世界初。2017年度は2例、2018年度は20数例に増やし、検証を進めるという。今後、臨床試験で安全性および有用性を確認した後、先進医療での実施を目指し準備を進める方針。
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・国立がん研究センター プレスリリース