■副会長5人も決定
日本薬剤師会は11日の臨時総会で会長・副会長候補者選挙を行い、山本信夫会長の3選を決めた。会長候補選は、立候補者が現職の山本会長1人で、対立候補がいなかったため、投票を行わない「信任採決」を行った結果、代議員の「起立多数」という形で決まった。同じく定数内の5人が立候補し、「信任投票」となった副会長候補選でも全員が過半数の票を獲得して当選した。いずれも6月の定時総会で正式に就任し、新執行部が発足する。
山本氏は、2期4年間の成果として、日本医師会などの関連団体との良好な関係を築いたことや、診療報酬改定で、厳しい薬剤師批判を受けたにもかかわらず、医科・調剤の比率「1:0.3」を堅持し、「薬剤師の行う業務については適切な評価がなされる改定となった」ことを挙げた。
今年度は、薬機法が施行から5年経過し、見直しのタイミングに当たるため、「薬剤師の歴史の中で極めて重要な時期と認識している」と強調し、「起立多数」で信任された。
副会長候補選には、現職の乾英夫、田尻泰典、森昌平の3氏に、常務理事の安部好弘、川上純一の2氏が新たに立候補。定数内となったが、順位を決める関係から、信任投票を実施し、いずれも過半数の得票を得て当選した。
有効投票数146票のうち、乾氏が最多の133票を獲得。川上氏の127票、森氏、安部氏の124票、田尻氏の112票と続いた。
■新執行部、バランス取れた体制に
山本氏は、総会終了後の記者会見で、今後対応するべき事項として、薬機法の見直しや、薬剤師の需給問題などを挙げた。
薬機法見直しについては、「薬剤師法にも影響が及んでくる」とし、「しっかりと議論して、薬剤師が社会の中でどうあるべきかを出せるようなことを考えたい」と強調した。薬剤師の需給問題に関しては、「議論が分かれるので一概には言えない」としつつも、「偏在していることは間違いない」と指摘。「どの地域であっても国民が医薬品にアクセスできない状況を作ってはいけない」とし、「どのくらいの薬剤師が必要なのか、改めてわれわれとしても考えなければいけない」と述べた。
新執行部の布陣については、「薬機法の見直しがあるので、そこの部分は少し手厚くしなければならないと思っている」との認識を示すと共に、世代交代も踏まえつつ、「年寄りと中間と若い者がうまくバランスの取れた組閣を行いたい」との意向を示した。
148人の代議員に「気配りのきいた人事にしなければと思っている」とする一方で、「あまりお友達のような形にならず、しっかり仕事ができる人に出てきてもらいたい」との考えも示した。