キイトルーダ、エレルサとグラジナが成長を牽引
MSD株式会社は3月13日に都内で記者会見を開き、2017年の事業概要と今後のビジョン・戦略を発表した。
ヤニー・ウェストハイゼン代表取締役社長
2017年の同社国内売上は前年を15%上回る3587億円となった。ヤニー・ウェストハイゼン社長は「特許切れ製品のマイナスがあるなか、すばらしい成長を遂げた1年だった」と語り、成長要因として、2017年に上市したがん治療薬「キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」とC型肝炎治療薬「エレルサ(一般名:エルバスビル)」「グラジナ(一般名:グラゾプレビル水和物)」が堅調に推移したことを挙げた。特にキイトルーダは、グローバル研究開発本部長の白沢博満氏も「非常に順調」と胸を張る。
キイトルーダについては、悪性黒色腫、非小細胞肺がんで発売開始後、2017年後半にはホジキンリンパ腫、尿路上皮がんの適応が承認された。さらに、乳がん、大腸がん、食道がん、胃がん、頭頚部がん、肝細胞がん、腎細胞がん、小細胞肺がんでフェーズ3に、進行性固形がん、卵巣がん、前立腺がん、高頻度マイクロサテライト不安定性固形がんでフェーズ2に進んでいる。「適応拡大だけでなく、併用などのさまざまな使い方についても試験を進めており、この中から“がん治療の教科書”を書き換えるような、インパクトのあるデータが続々と出てくるだろう」(白沢氏)
また、併せて同社は2018年の新ビジョンを発表。「変化に強く、生産性の高い組織をつくり、迅速かつ柔軟な意思決定を可能にする」(ウェストハイゼン社長)、「少なくとも2ケタの製品の申請を想定している」(白沢氏)と語った。
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