厚生労働省は7日、2018年度から試行導入する費用対効果評価について、ギリアド・サイエンシズのC型慢性肝炎治療薬「ソバルディ」、小野薬品の抗癌剤「オプジーボ」など対象7品目の評価結果を、中央社会保険医療協議会総会で公表した。製薬企業の分析と専門家による再分析を行った結果、「オプジーボ」と中外製薬の抗癌剤「カドサイラ」の2品目については、4月から薬価を引き下げる価格調整が行われる。
費用対効果評価を行う既収載品の対象品目に指定されたのは、類似薬効比較方式で算定されたC型慢性肝炎治療薬「ソバルディ」、類似薬の「ハーボニー」(ギリアド・サイエンシズ)、「ヴィキラックス」(アッヴィ)、「ダクルインザ」(ブリストル・マイヤーズ)、「スンベプラ」(同)の5品目、原価計算方式で算定された抗癌剤「オプジーボ」(小野薬品)、「カドサイラ」(中外製薬)の2品目の計7品目。
費用対効果評価をめぐっては、完全に健康な状態で1年間生存期間を延ばすため必要な費用として、既存薬と比べて500万円以上かかる場合は薬価を引き下げ、既存薬と比べて1000万円を超える場合は、価格調整幅の上限を用いた価格調整を行うことになっていた。
今回、製薬企業の分析と専門家による再分析が行われた結果、「オプジーボ」と「カドサイラ」の2品目については薬価を引き下げる価格調整が行われることになった。「オプジーボ」は、企業分析と再分析の結果が異なるため両分析結果の併記となり、価格変動のより少なくなる方の結果を採用して価格調整を行った結果、薬価を引き下げることになった。
また「カドサイラ」は、1年生存期間を延ばすために必要な費用が既存薬に比べて1000万円以上かかると結論されたことから、薬価を引き下げる。
「ソバルディ」は1年生存期間を延ばすために必要な費用が既存薬に比べて500万円以下で、費用対効果が良いとの結果になった。企業分析と再分析の結果が一致しなかった他の4品目については、さらに検証のための分析を実施することになっている。