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不眠障害治療剤レンボレキサント、ゾルピデムとの実薬対照試験で良好な結果-エーザイら

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2018年03月09日 PM01:40

1/2受容体に対してオレキシンと競合的に結合

エーザイ株式会社は3月7日、米Purdue Pharma社と行ったレンボレキサントの複数の臨床試験において、良好なトップライン結果を得たことを発表した。

レンボレキサントは、エーザイ創製の新規低分子化合物で、オレキシン受容体の2種のサブタイプ(オレキシン1/2)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗剤。エーザイとPurdue Pharmaが共同開発を行っている。

オレキシン神経伝達に作用するレンボレキサントは、外部刺激による覚醒能力を減退することなく、睡眠と覚醒を調整する。現在、不眠障害の試験に加え、アルツハイマー型認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害(ISWRD)を対象とした第2相試験臨床試験が進行中。

睡眠潜時などを実薬との比較対照で評価

今回、結果が公表されたSUNRISE 1試験(304試験)は、睡眠維持困難を伴う55歳以上の不眠障害患者を対象とした臨床第3相試験。睡眠ポリグラフ検査法によるデータセットを用いて、特に高齢者における主訴である就床から入眠までの時間(睡眠潜時:主要評価項目)、および夜間後半部分の中途覚醒時間を含む睡眠維持時間のベースラインからの変化量(副次評価項目)などを、実薬との比較対照により評価した。その結果、レンボレキサント(5mg、10mg)は、主要評価項目ならびに主な副次評価項目について、ゾルピデム徐放性製剤(6.25mg)およびプラセボに対して有意に優れていることが検証されたという。同試験における有害事象による中止率は、レンボレキサント群とプラセボ群において同様だった。レンボレキサント群で観察された主な有害事象は、頭痛と傾眠だった。なお、同試験結果の詳細な内容は、今後、2018年内の学会等で発表する予定。

また、臨床第1相試験(108試験)では、55歳以上の健康成人を対象に、 アラームによる夜間覚醒時および翌朝起床後の姿勢安定性、注意力および記憶力の評価に加えて、中途覚醒後、再び眠りにつくまでの時間も評価。その結果、同剤群は、夜間覚醒時の姿勢安定性(主要評価項目)について、ゾルピデム徐放製剤群に対して統計学的に有意に優れていることが示されたという。

304試験と108試験は、最近新たに蓄積された臨床第1相試験(106試験)の良好な結果を含む同剤に関する科学的知見をさらに補強するもの。106試験は、成人と高齢者を対象に、ゾピクロン群(陽性対照)、プラセボ群を対照として、公道における自動車運転能力により、薬剤の潜在的な翌朝の持ち越し効果を評価した試験であり、主要評価項目を達成した。同試験のレンボレキサント群で観察された主な有害事象は、傾眠と頭痛だったという。なお、108試験と106試験の詳細な結果については、「SLEEP 2018(米国睡眠学会第32回年次集会)」において発表予定。(遠藤るりこ)

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