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学生アスリートの睡眠障害、日付をまたぐ遅い就寝や週4日以上の朝練などが関係-筑波大

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2018年03月07日 PM12:00

・競技活動・競技ストレッサーなどを分析

筑波大学は3月5日、学生アスリートのデータから、 睡眠障害と生活習慣・競技活動・競技ストレッサー・メンタルヘルスとの関係について分析した結果を発表した。この研究は、同大体育系の武田文教授、門間貴史特任助教、徳山薫平教授および国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)の佐藤誠教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Sleep Medicine」オンライン版で先行公開されている。


画像はリリースより

研究グループは、2016年4~11月に、5大学の体育系学部で1、2年生対象の授業を受講した1,875名を対象に、無記名自記式質問紙調査を実施。質問紙を回収した1,738名(回答率92.7%)のうち、運動部に所属している1、2年生で 完全回答を得た906名(男性:70.1%、平均年齢:19.1±0.8歳)のデータを解析した。睡眠障害と生活習慣(就寝時刻、起床時刻、喫煙、、食事、、消灯後の電子機器使用)、競技活動(週当たりの練習時間、週当たりの朝練習(午前9時以前の練習)と夜練習(午後9時以降の練習)の頻度)、競技ストレッサー、メンタルヘルスとの関連について、属性(年齢、性別、BMI)を調整した多重ロジスティック回帰分析により検討した。

強い関連を認めたのは就寝時刻と起床時刻

その結果、睡眠障害と強い関連を認めたのは、「就寝時刻」と「起床時刻」であった。就寝時刻が午後11時以前の者と比べて、午前1時以降の者(オッズ比5.61, 95%CI 2.51-12.55, p<0.001)および午前0時台の者(オッズ比2.46,95%CI 2.77-10.88, p<0.001)、起床時間が午前6時台の者(オッズ比3.01, 95%CI 1.79-5.08, p<0.001)および午前7時台の者(オッズ比1.76, 95%CI 1.10-2.82, p<0.05)で、それぞれ睡眠障害のリスクが高いことが判明。また、「深夜時間帯(午後11時以降)のアルバイト」をしない者と比べて、している者(オッズ比1.85, 95%CI 1.16- 2.94, p<0.01)、「消灯後の携帯電話・スマートフォン」を使用しない者と比べてしている者(オッズ比1.60, 95%CI 1.12-2.29, p<0.05)も、睡眠障害のリスクが明らかに高くなっていた。

さらに、「朝練習(午前9時以前の練習)」をしない者と比べて週4日以上している者(オッズ比1.96, 95%CI 1.18- 3.26, p<0.01)、「意欲喪失ストレッサー」がほとんどない者に比べて強い者(オッズ比1.80, 95%CI 1.03-3.15, p<0.05)、そして「」が良好な者に比べて不良な者(オッズ比2.88, 95%CI 2.00-4.15, p<0.001)で、睡眠障害のリスクが有意に高いことも明らかになった。

今回の研究によって、学生アスリートのデータから睡眠コンディショニングのカギとなるポイントを初めて明らかになった。研究グループは、「今後、アスリートの睡眠障害の予防・改善にむけて、・起床時刻の調整や消灯後のスマホ使用を控えるといった生活習慣面の対策に加え、朝を避けた練習時間帯の調整、競技に関する意欲喪失ストレッサーの低減や対処、メンタルヘルスの保持改善といった競技活動面での支援対策が望まれる」と述べている。

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