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やせ過ぎ、家族・友人とのつながりの少なさ、喫煙の多さが高齢者の寿命を縮める-東北大

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2018年03月06日 PM02:15

65歳以上の日本人と英国人を約10年追跡したデータを分析

東北大学は3月2日、65歳以上の日本人1万3,176人、英国人(イングランド在住者)5,551人を約10年追跡したデータの分析を行い、高齢者の長寿に寄与する要因を明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院歯学研究科の相田潤准教授らの日英共同研究チームによるもの。研究成果は、老年医学の国際科学雑誌「Gerontology」電子版に掲載されている。


画像はリリースより

共同研究チームは今回、日本老年学的評価研究プロジェクト(JAGES)の2003年調査および、英国縦断的高齢化調査(ELSA)の2002~2003年調査をベースラインとして、65歳以上の高齢者を9.4年間(3,436日)追跡したコホート研究の分析。行動要因として、運動(スポーツクラブの参加の有無)、、飲酒、(肥満度)を、社会要因として教育歴(社会経済状況の変数)、家族とのつながり(婚姻状態)、友人とのつながり(友人と会う頻度)を用いた。ベースライン時点での既往歴(がん、心疾患、、糖尿病、精神疾患)や日常生活動作、年齢は共変量として最初に調整。 (すべての死亡原因を含む)までの日英の生存期間の差(日英ごとに15%の人が死亡するまでの時間の差)をラプラス回帰分析で推定をしたという。

日本人女性で319日、男性で132日、英国人よりも生存期間長く

ELSAの女性は3,083人(平均年齢74.7歳[SD=7.3])、男性は2,468人(平均年齢73.7歳 [SD=6.7])、JAGESの女性は6,882人(平均年齢73.4歳[SD=6.3])、男性は6,294人(平均年齢72.5歳[SD=5.7])。9.4年間(3,436日)の追跡期間中に英国の女性の31.3%、男性の38.6%が死亡した一方、日本では女性の19.3%、男性の31.3%の死亡にとどまった。追跡開始時点の健康状態や年齢の差などを調整したうえで、日本人の女性は319日、男性は132日、英国人よりも生存期間が長いことが判明したという。

家族とのつながりは英国人男性よりも日本人男性で多く、これは日本人男性が英国人男性よりも105日間生存期間が長いことにつながっていた。反対に友人とのつながりは英国人男性で多く、これは日本人男性と比較して英国人男性の45日間の長寿につながっていたという。また、英国人女性よりも日本人女性で喫煙者が少なく、198日の長寿につながっていた。男性では日本人よりも英国人で喫煙が少なく、英国人男性の47日間の長寿につながっていたという。さらに、日本人男女では「やせ過ぎ」()が多く、これは英国人に比べて女性で129日、男性で212日間生存期間が短いことにつながっていたとしている。

高齢化社会において、高齢者を対象に国際比較研究でこのような要因を明確化し、どの程度の生存期間の違いに現れているかを生存期間で明示した研究は、これまで存在しなかった。英国(日本)で実現できている要因は、日本(英国)でも改善しやすい要因であることから、研究チームは、「これらの知見を活かすことで、両国でより効果的な健康政策が立案できると考えられる」と述べている。

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