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ウパダシチニブ、クローン病対象のP2試験における新たなデータ発表-米アッヴィ

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2018年02月28日 PM01:30

臨床的・内視鏡的な効果に関するデータを新たに公表

米アッヴィ社は2月16日、免疫調節剤または抗腫瘍壊死因子α()抗体製剤に対して効果不十分または不耐容の中等度から重度の活動性クローン病の成人患者を対象として、開発中の経口選択的JAK1阻害薬「」について検討した第2相CELEST試験の二重盲検継続投与期で得られた新たな結果を発表した。この結果は、第13回欧州クローン病・大腸炎会議(ECCO)でポスター発表された。また、同試験における16週間の導入期のデータを用いた2件のサブ解析の結果もECCOで発表されている。

同試験では、プラセボまたはウパダシチニブ即放性製剤24mgの1日2回、あるいは24mgの1日1回、16週間の二重盲検導入療法と、それに続く36週間の盲検下の継続療法に無作為に割り付けられた。16週間の導入期間を終了したすべての患者を1:1:1の比率で再度無作為に割り付け、二重盲検下で、ウパダシチニブ3mgを1日2回、12mgを1日2回または24mgを1日1回、36週間投与を行い、合計52週間を試験期間とした。24mgの1日1回投与群は後に投与を中止し、6mgの1日2回投与群の投与を開始した。継続投与期間に再度無作為に割り付けた180名のうち、153名の患者がウパダシチニブの導入療法を受けた。

主要評価項目は、導入期間の16週に臨床的寛解(SFが1.5以下およびAPが1以下で、かついずれもベースラインからの悪化なし)に達した患者の割合、および12週または16週に内視鏡的寛解(SES-CDが4以下でベースラインからの減少が2ポイント以上、かつ1を超えるサブスコアなし)に達した患者の割合だった。

36週間の継続投与期終了時に治療効果の維持を確認

試験では、16週間の導入期のウパダシチニブ投与後に臨床的改善を達成した患者の多くで、36週間の継続投与期終了時にも治療効果の維持が認められ、52週時点において高用量群(6mgおよび12mg1日2回)では3mg1日2回投与群に比べて数値的に優れた結果が認められたという。16週時点でウパダシチニブによる寛解導入治療の効果が認められた患者における52週時点の臨床的寛解率および内視鏡的改善率は、ウパダシチニブ12mg1日2回投与群がその他の用量群に比べて数値的に高い結果となった。また、52週時点の3mg、6mgおよび12mg1日2回投与群のmodified clinical remission(修正した基準に基づく臨床的寛解率)について用量依存的な増加が認められた。なお、同試験におけるウパダシチニブの全体的な安全性プロファイルは、他の試験で認められたウパダシチニブの安全性プロファイルと一致し、新たな安全性のシグナルは検出されなかったという。

また、ECCOにおける16週間CELESTデータのサブ解析に関する口頭発表では、ウパダシチニブが投与された中等度から重度の活動性クローン病患者を対象として臨床的効果の発現状況の評価が行われた。ウパダシチニブ6、12および24mg1日2回投与群は、プラセボ群と比較して有意に高いmodified clinical remissionを4週に達成(いずれもp≤0.05)。この臨床的効果は、ウパダシチニブ24mgが1日2回導入投与された患者では、16週まで持続したという。

さらに、ECCOにおける16週間導入CELESTデータの別のサブ解析に関する追加のポスター発表では、ウパダシチニブが投与された中等度から重度の活動性クローン病患者における、ステロイドフリーでの臨床効果の可能性について評価が行われた。ウパダシチニブ24mg1日2回投与群は、16週で、プラセボ群と比較して有意に高い割合の患者で、副腎皮質ステロイド剤の投与を中止し、かつ臨床的評価項目(modified clinical remission、臨床的寛解およびクローン病活動指数(CDAI)150未満)の改善を達成(いずれもp ≤ 0.05)。また、ウパダシチニブ6mg1日2回以上の投与群は、16週で、プラセボ群と比較して数値的に高い割合の患者で、副腎皮質ステロイド剤の投与を中止し、かつ内視鏡的改善を達成することができたとしている。

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