厚生労働省は21日、高齢者が多種類の医薬品を服用するポリファーマシーを是正するための「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」案を、高齢者医薬品適正使用検討会の作業部会に示し、概ね了承された。ふらつきなど薬剤との関係が疑わしい症状・所見があった場合は処方をチェックして中止・減量を考慮すること、入院中に薬剤師・医師等を中心とした多職種による処方見直しチームを組織して情報の一元化と処方の適正化を行うことなどを求めている。4月以降に全国の医療機関に周知する。
同指針は、診療・処方時に参考となるガイダンスとして位置づけられており、診療ガイドラインとの混同を避けるため、ガイドラインから「指針」に修正。ポリファーマシー対策に関する普遍的な考え方を盛り込み、▽ポリファーマシーの概念▽多剤服用の現状▽薬剤見直しの基本的な考え方・フローチャート▽多剤服用時に注意する有害事象と診断、処方見直しのきっかけ▽多剤服用対策としての高齢者への薬物投与の留意事項▽服薬支援▽多職種・医療機関、地域での協働▽国民的理解の醸成――で構成。65歳以上の高齢患者を対象とし、薬剤師・医師・歯科医師だけでなく、服薬状況や症状の把握、服薬支援を行う看護師や介護職の利用も想定している。