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効率的な新薬開発を目指す「日本人がん患者由来PDXライブラリー整備事業」開始-LSIら

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2018年02月23日 PM01:00

患者のがん組織の特徴を保持できるPDX

株式会社LSIメディエンスは2月21日、、医薬基盤・健康・栄養研究所と協働で、日本医療研究開発機構()「医療研究開発革新基盤創成事業()」の採択により、「がん医療推進のための日本人がん患者由来PDXライブラリー整備事業」を3月1日から開始すると発表した。

(patient–derived xenograft)は、がん患者のがん組織を免疫不全マウスに移植し腫瘍を再現するもの。PDXは患者のがん組織の特徴を保持できるため、抗がん剤開発にパラダイムシフトを起こしている。従来の実験モデルで5%程度といわれる治療効果の予測能が、PDXモデルマウスの場合は80%以上という報告もあり、新規抗がん剤をヒトに投与する臨床試験の前に、薬剤の効果を予め確認するためにPDXモデルマウスの利用が進んでいるという。

日本人がん患者由来PDX研究拠点の整備と人材育成を

今回の事業では、日本人の特性も加味した効率的な新薬開発を目指して、日本人がん患者由来のPDXを産業活用できるよう、またさらに高度な研究・医療への応用を推進する。

厚生労働大臣の定める基準に適合するGLP(Good laboratory practice)施設を擁しPDXの取り扱い実績のあるLSIメディエンス、世界に先駆けて重度複合免疫不全マウスを用いて多種多様なPDXの樹立に成功した医薬基盤・健康・栄養研究所、2つの臨床研究中核病院と国内最大のがん専門研究所を擁する国立がん研究センターの3者が協働し、世界最高水準の日本人がん患者由来PDX()研究拠点の整備と専門分野の人材育成を進めるという。

同事業では、5大がんを中心に詳細な臨床情報が付帯した高品質のライブラリーを構築するとともに、臨床試験が困難とされる希少がんの創薬開発を目指し、希少がんPDXを含むライブラリーを構築。さらにGLP施設内でPDXを保存・管理することで、薬事承認基準に準拠した非臨床試験をPDXマウスで実施することが可能となるとしている。

なお、同事業と並行して、国がんは、国内外製薬企業と連携し、がん患者とPDXマウスの薬剤応答性データ等を突合・解析するCo-Clinical Study、希少がんの創薬研究を実施する。また、医薬基盤・健康・栄養研究所は、製薬企業を支援し、新たな創薬標的の探索とシーズ創生を行い、J-PDX ライブラリーを用いる循環型研究開発を推進するという。(大場真代)

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