アミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素1低分子阻害剤
米Merck社は2月13日、アミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素1の低分子阻害剤「ベルベセスタット」(MK-8931)を、アルツハイマー病による健忘型軽度認知障害(Prodromal AD)患者を対象に評価する第3相試験プロトコル019(APECS試験)を中止することを発表した。APECS試験のデータは今後の学会で発表する予定だという。
APECS試験は、prodromal AD患者に対するベルベセスタットの効果および安全性を評価する無作為化プラセボ対照並行群間二重盲検第3相臨床試験。被験者は1日1回、プラセボ、ベルベセスタット12mgまたは40mg投与群に無作為に割り付けられた。同試験の主要評価項目は、治療開始後104週時点におけるClinical Dementia Rating Scale-Sum of Boxes(CDR-SB)スコアのベースラインからの変化量。
リスクを上回るベネフィットが得られる可能性は低いと判断
今回の中止の判断は、外部データモニタリング委員会(eDMC)が、最近の安全性中間解析に基づき全般的なベネフィットおよびリスクを評価した結果をもとに行った勧告によるという。eDMCは、試験を継続した場合リスクを上回るベネフィットが得られる可能性は低いと結論づけた。
Merck社研究開発本部責任者のRoger M. Perlmutter博士は、「この結果にかかわらず、当社は今後もアルツハイマー病やその他の神経変性疾患の革新的な治療薬の開発に取り組んでいく」と述べている。
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