■大型門前の外枠「全体責任」
日本薬剤師会の山本信夫会長は、15日の定例会見で、2018年度診療報酬改定についてコメントした。
昨年12月に診療報酬改定率が決まり、調剤0.19%増となった際には、「65点くらい」と自己採点していたが、調剤報酬の個別点数が決定したことを受け、「70点くらい」とやや加点した。
調剤報酬全体については、16年度改定で示された「薬剤師の仕事を評価する」という方向性が「明確になった」とし、厚生労働省の「患者のための薬局ビジョン」などで示されている「方向性に沿った改定になっている」と評価した。
一方、改定の「外枠」で大型門前薬局を対象に報酬が削減されたことについては、偽造医薬品の流通や処方箋付け替え不正請求など、相次いで発覚した調剤薬局チェーンによる不祥事が「影響した」との見方を示した。
ただ、不正請求は特定の薬局に限った話ではなく、「日薬会員の中で起こった問題」との認識を示し、「結果として外枠により、善良な一部の人たちもそうした影響を受けるという意味では、特定のグループがどうということではなく、全体責任ということになる」と説明した。
■FIP副会長、続投ない
山本会長は、現在、務めている国際薬剤師・薬学連合(FIP)の副会長を来期も続投する可能性について「ないだろう」と語った。
FIP国際会議は9月2日から6日の5日間、スコットランドのグラスゴーで開催され、会期中に任期満了に伴う会長・副会長選が行われるが、次期会長選についても、海外出張の頻度が増加することや、金銭的な負担増などを理由に、「出ることはない」と出馬しない考えを示した。