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「ロナセン」テープ製剤、統合失調症対象のP3試験で主要評価項目達成-大日本住友と日東電工

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2018年02月16日 PM01:30

統合失調症治療用の経皮吸収型テープ製剤を共同開発

大日本住友製薬株式会社と日東電工株式会社(Nitto)は2月14日、経皮吸収による統合失調症治療剤として共同開発中の非定型抗精神病薬「(R)」(一般名:)テープ製剤の日本でのフェーズ3試験において、主要評価項目を達成するとともに、良好な忍容性を示したという解析結果速報を発表した。

ロナセンは、大日本住友製薬が創製した新規構造の非定型抗精神病薬。ドパミンD2/D3受容体およびセロトニン5-HT2A受容体に対する親和性を有しており、臨床試験において、統合失調症の陽性症状のみならず、陰性症状に対する改善作用が示されている。日本では、大日本住友製薬が2008年4月に統合失調症を適応症として発売している。

一方、Nittoはさまざまな薬物を皮膚から吸収させ、体内に導く経皮吸収治療システムとして、経皮吸収型テープ製剤設計の技術を確立。統合失調症の治療における服薬アドヒアランスに影響を与える要素として、薬剤の剤形も重要視されていることから、両社の医薬品と製剤技術を融合させ、統合失調症治療用として経皮吸収型テープ製剤の共同開発を2010年より行っていた。

2018年度上期の製造販売承認申請を予定

今回の試験は、成人の統合失調症患者580名を対象とした、多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検比較フェーズ3試験。同剤40mg/日投与群(196名)、同剤80mg/日投与群(194名)、プラセボ投与群(190名)に分け、6週間投与したときの同剤の有効性および安全性を検討した。その結果、主要評価項目である投与6週間後の陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)合計スコアのベースラインからの変化量において、主要な解析対象集団 (modified ITT)577名では、同剤40mg/日投与群および同剤80mg日投与群はプラセボ投与群に対し、統計学的に有意な改善(40mg/日投与群:-16.4,調整済みP値:0.007、80mg/日投与群:-21.3,調整済みP値:<0.001、プラセボ投与群:-10.8)を示した。

また、同剤は同試験において総じて良好な忍容性を示し、同剤投与群での有害事象は皮膚関連事象も含め全般的に軽度だったという。さらに、有害事象による中止割合も低い結果だった(40mg/日投与群:8.7%、80mg/日投与群:6.2%、プラセボ投与群:8.9%)。

統合失調症の治療では、服薬アドヒアランスの維持が困難であることが多く、これが再発や再入院の原因のひとつとなる。同剤は、1日1回の投与で24時間安定した血中濃度を維持することができるほか、食事の影響を受けにくく、経口投与が困難な患者へも投薬可能、投薬状況を視覚的に確認できるなどの特長を有している。大日本住友製薬は、同試験の結果に基づき、2018年度上期に日本において同剤の製造販売承認申請を行う予定。(横山香織)

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