EGFR TKI投与中に病勢進行したNSCLC患者が対象
第一三共株式会社は2月7日、HER3に対する抗体薬物複合体(ADC)「U3-1402」の、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR TKI)投与中に病勢進行したEGFR変異のある非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした第1相臨床試験において、最初の患者への投与を米国にて開始したと発表した。
同試験は、EGFR TKI(エルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ)に抵抗性となった再発・転移性のNSCLC患者を対象に、U3-1402の安全性と忍容性を評価し、推奨用量を決定するもの。また、薬物動態と予備的有効性も評価する。グローバルで60名以上の患者を登録する予定。
転移性乳がん患者対象の第1/2相臨床試験も実施中
EGFR変異のあるNSCLC患者には、現在一次治療としてEGFR TKI(エルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ)が投与されるが、多くの患者は抵抗性となる。これらの患者のうち、EGFRの第二変異(T790M変異)が生じた患者には次世代のEGFR TKIであるオシメルチニブが投与されるが、一定割合の患者は治療抵抗性となる。いずれもEGFR TKIに抵抗性となった場合には、現在、限られた治療法しかないが、EGFR TKI抵抗性となったNSCLCの細胞にはHER3が高発現するとの知見がある。
U3-1402は、第一三共としてはDS-8201に次いで2番目に臨床開発段階に入った抗体薬物複合体。独自のADC技術を使ってリンカーを介して抗HER3抗体にトポイソメラーゼⅠ阻害剤(DXd)を結合させた薬剤で、1つの抗体につき約8個のDXdが結合するという特徴を持つ。なお、同剤の転移性乳がん患者を対象とした第1/2相臨床試験も実施中。
▼関連リンク
・第一三共株式会社 ニュースリリース