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18年度診療報酬改定を総括-調剤報酬「評価すべき部分に分配」

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2018年02月09日 AM10:45


■診療側は一定の満足感示す

2018年度診療報酬改定の答申を受け、、日本薬剤師会の診療側3団体、支払側6団体は7日、記者会見を開き、改定論議を総括した。診療側は、本体プラスによって「それなりの評価ができた」と一定の満足感を示した。一方、マイナス改定を主張していた支払側は、「対人業務を重視した調剤報酬の見直しなど、国民のニーズに沿った形で多くの見直しが行われた点は評価したい」としつつ、「結果として本体引き上げ、薬価改定分の取り扱いは国民に還元される方向性が示されなかったのは誠に遺憾」と総括した。

会見する診療側委員

診療側は、日本医師会の横倉義武会長が、外来医療の機能分化とかかりつけ医機能の評価、医療従事者の負担軽減・働き方改革の推進、薬価制度の抜本改革、医療技術の適正評価、入院評価体系の見直しなどのポイントを挙げ、「今回の改定は、少ない改定財源の中、それなりの評価ができた」と総括した。

その上で、「今回の改定の影響を適正なタイミングで検証しつつ、25年に向けた新しい医療提供体制に寄り添った改革を継続していくべき」と主張。「日本医師会、、日本歯科医師会の医療を支えている専門職の3団体は、相互に連携をし、分断されることなく、医療再興の大義のもと大同団結をしていく覚悟」と決意を新たにした。

日本薬剤師会の山本信夫会長(森昌平副会長が代読)は、「厳しい保険医療財政の中、調剤報酬についてはプラス0.19%の範囲で既存点数の合理化、適正化を図りつつ、評価すべき部分に分配することができた」と総括。「対物業務から対人業務の評価へ構造的な転換という大きな流れの中で、薬剤服用歴管理指導料、かかりつけ薬剤師指導料などの評価充実をはじめ、地域医療に貢献する薬局の評価、薬剤師によるポリファーマシー対策に関する取り組みの評価の新設は、地域包括ケアシステムにおける薬局薬剤師への大きな期待」との受け止めを語った。

その上で、「地域包括ケアシステムの実現を間近に控え、今回の答申では薬局薬剤師として取り組むべき方向がさらに明確に示された」との認識を示し、「地域住民、患者のため、これら業務に積極的に取り組み、地域医療提供体制を支える良質な薬物治療の提供に貢献していきたい」と述べた。

■支払側「全体的に80点」‐薬価改革を高く評価

一方、支払側は、健康保険組合連合会の幸野庄司理事が、特に入院医療と薬価制度で大きな改革が行われたとの認識を示し、「全体的には80点ぐらいの改定だった。対人業務を重視した調剤報酬の見直しなど、国民のニーズに沿った形で多くの見直しが行われた点は評価したい」と高く評価した一方、「結果として本体引き上げ、薬価改定分の取り扱いは国民に還元される方向性が示されなかったのは誠に遺憾」と総括した。

幸野氏は、薬価制度の抜本改革について、「これまでに例のない大きな見直しが行われた」との認識を示し、「様々な高額医薬品の上市が相次ぎ、医療保険財政への多大な影響が危惧される中、効能追加による市場拡大への速やかな対応、長期品薬価の見直しなど医薬品費の適正化が図られた点については大いに評価したい」と高く評価。

一方、新薬のイノベーション評価のあり方について十分な合意形成が得られなかったことは、次回改定以降で課題を整理する必要があるとし、新薬創出等加算について「基本方針ではゼロベースで見直すとされていたが、結果的に業界などの意見も入り、少し後退した部分があるのは否めない」との認識を述べた。

調剤報酬については、「今回、基準調剤加算が廃止され、地域包括ケアシステムの中で活躍できている薬局に加算がつくことについては、対人業務を強化したということ」との認識を示し、「これまでの基準調剤加算では対物の評価が多かったが、今回、地域への貢献が大きく取り入れられたのは非常に良かった」と高く評価した。

また、大型門前薬局の適正化については、「集中率の基準がかなり引き下げられ、厳しくなった。敷地内薬局も相当適正化された」と妥当な改定としつつ、「どうやっても対策を取ってくるところがあり、本当に基本料1を算定できる薬局がどれだけの動きになっていくかは、これから見ていく必要がある」と注視していく考えを示した。

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