局所進行の切除不能または転移性の悪性黒色腫患者が対象
小野薬品工業株式会社は2月7日、米アレイ バイオファーマ社および仏ピエール ファーブル社による、BRAF遺伝子変異陽性の悪性黒色腫患者を対象とした第3相COLUMBUS試験の全生存期間(OS)の解析結果を発表した。
第3相COLUMBUS試験は、BRAF遺伝子変異陽性の局所進行の切除不能または転移性の悪性黒色腫患者921例を対象に、vemurafenib(ベムラフェニブ)単剤およびencorafenib単剤療法と、encorafenibとbinimetinib(ビニメチニブ)の併用療法の有効性および安全性を比較評価する、2つのPartで構成された第3相国際共同無作為化非盲検試験。北米、欧州、南米、アフリカ、アジアおよびオーストラリアの200以上の治験施設が参加した。
小野薬品工業は2017年5月に、Array社とBRAF阻害剤のencorafenibおよびMEK阻害剤のビニメチニブに関するライセンス契約を締結。小野薬品が日本および韓国で両剤を開発および商業化する権利をArray社から取得している。
ベムラフェニブ1日1回の単剤療法と比較
同試験では、encorafenib450mg1日1回とビニメチニブ45mg1日2回の併用療法(COMBO450)を、ベムラフェニブ960mg1日1回の単剤療法と比較。その結果、死亡リスクを軽減したという(ハザード比(HR)0.61、95%信頼区間:0.47-0.79、p<0.001)。OSの中央値は、ベムラフェニブの単剤療法群で16.9か月であったのに対し、COMBO450群で33.6か月だった。
encorafenibとビニメチニブの併用療法の忍容性は、全般に良好だったという。併用療法を受けた患者の5%以上で発生したグレード3~4の有害事象(AE)は、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加9%、血中クレアチンホスホキナーゼ増加7%、および高血圧6%。併用療法を受けた患者で、市販されているBRAF阻害剤とMEK阻害剤の治療で一般的に関連する毒性に基づき定義されるspecial interestのグレードを問わないAEとしては、発疹23%、発熱18%、網膜色素上皮剥離13%および光線過敏症5%が発生した。
米国食品医薬品局(FDA)は、現在BRAF遺伝子変異陽性の切除不能または転移性の進行悪性黒色腫患者の治療薬としてencorafenibとビニメチニブの併用療法による両剤の新薬承認申請を審査中。さらに、欧州医薬品庁(EMA)、スイス医薬品庁(Swissmedic)およびオーストラリア保健省薬品・医薬品行政局(TGA)は、encorafenibおよびビニメチニブの販売承認申請を審査している。
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・小野薬品工業株式会社 プレスリリース