日本病院薬剤師会は、がん薬物療法認定薬剤師の上に位置する資格を創設する。日病薬は2009年、日本医療薬学会にがん専門薬剤師の認定を移管し、がん薬物療法認定薬剤師の認定だけを担うようになったが、その上位資格を日病薬が認定する仕組みを求める会員からの声は依然として強かった。会員のニーズに応えて受け皿を拡大し、能力を持つ薬剤師がもれなく認定を受けられる機会を増やすために、上位資格の創設に向けた具体的な検討を進めることが決まった。会員の声を受けてこの課題を検討してきた日病薬の将来計画委員会が創設の方針を決定。昨年12月の理事会で了承された。今後、担当委員会で名称や要件などの具体的な検討が進められる見通しだ。
同会委員長の松原和夫氏(日病薬副会長)は3日、京都市内で開かれた日病薬近畿ブロック会議で「今後、診療報酬の算定でも認定薬剤師や専門薬剤師が算定要件となることが増えていく。会員数の違いから、日病薬の認定への需要は大きく、日本医療薬学会だけでは対応しきれない。今後、がん薬物療法認定薬剤師のステップアップバージョンとして、がん専門薬剤師という名称は日本医療薬学会に移管したため、それに代わるようなものを考えたい」と語った。