CSFやPET検査では臨床治験適用に限界が
国立長寿医療研究センター(NCGG)と株式会社島津製作所は2月1日、質量分析システムを用いたアルツハイマー病血液バイオマーカーにおいて、現在用いられている脳脊髄液やPETイメージングの検査に匹敵するアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)検出法を確立したと発表した。この研究は、Australian Imaging Biomarkers and Lifestyle Study of Ageing(AIBL)と連携し、京都大学、東京大学、東京都健康長寿医療センター、近畿大学と共同で行われた。研究成果は、「Nature」オンライン版で公開されている。
アミロイドの脳内蓄積は発症20年以上前に始まり、アミロイドが脳内に蓄積した患者はアルツハイマー病の発症リスクが高いと考えられている。現在用いられている脳脊髄液(CSF)およびPETによる検査は、それぞれ侵襲性と高額な検査費用のため、数千人規模の参加を必要とする臨床治験への適用に限界があった。
0.5CCの血液でアルツハイマー病変を検出
質量分析システムを用いたアルツハイマー病血液バイオマーカーは、2014年に発見された。その後、研究開発を進め、今回、CSFおよびPET検査に匹敵する極めて高い精度のアミロイド蓄積検出法を確立したという。
画像はリリースより
今回の研究成果は、採取が容易な血液(0.5CC)でアルツハイマー病変を早期に正確に検出するというもの。研究グループは「世界的に未だ成功していないアルツハイマー病の根本的な治療薬、予防薬開発の飛躍的向上に大きく貢献するものと期待される」と述べている。
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