患者119例が含まれ、中央値13.4か月にわたり追跡調査
米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は1月20日、第2相CheckMate-142試験から、DNAミスマッチ修復機構欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の転移性大腸がん患者を対象にオプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法を評価したコホートの新たなデータを発表した。データは、サンフランシスコで開催の2018年消化器がんシンポジウムで口頭発表され、「journal of clinical onclogy」にも掲載される。
CheckMate-142試験は、MSI-Hおよび非MSI-Hの再発または転移性大腸がん患者を対象に、オプジーボ単剤療法およびオプジーボと他剤の併用療法を評価した、国際共同第2相複数コホート非盲検非対照臨床試験。主要評価項目は、固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST1.1)の基準に基づく治験担当医師の評価による奏効率(ORR)。その他の主な評価項目には、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、病勢コントロール率(DCR)、盲検化された独立中央評価委員会(BICR)の評価によるORR、患者報告アウトカムおよび安全性が含まれた。オプジーボとヤーボイの併用療法コホートには、患者119例が含まれ、中央値13.4か月にわたり追跡調査された。
奏効が得られた患者の94%で奏効が持続中
解析の結果、治験担当医師の評価によるORRは、55%(95%信頼区間:45.2-63.8)。奏効は持続的であり、データカットオフ時点(2017年7月)で奏効期間の中央値は未達、奏効が得られた患者の94%で奏効が持続中だった。1年生存率は85%(95%信頼区間:77.0-90.2)、OSの中央値は未達。グレード3~4の治療に関連する有害事象が、オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の32%で発現した。データカットオフ時点において、PFSの中央値は未達、12か月PFS率は71%(95%信頼区間:61.4-78.7)、12週間以上持続したDCRは80%。
グレードを問わない治療に関連する有害事象(TRAE)が、患者の73%で発現。多く発現したのは、下痢(22%)、疲労(18%)、そう痒症(17%)だった。免疫学的病因により発現した可能性のある特定のTRAEは、大半(範囲:71~96%)の患者で回復したが、内分泌性のTRAEでは、回復した患者は40%。新たな安全性シグナルまたは治療に関連する死亡は報告されなかった。治験薬に関連する有害事象により、患者の13%で投与が中止され、これらの患者で、ORRは63%であり、患者集団全体のORRと一貫していたとしている。
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・ブリストル・マイヤーズ スクイブ社 プレスリリース