医薬品医療機器総合機構(PMDA)と国立成育医療研究センターは22日、人材交流を促すことなど連携を強化する内容を盛り込んだ包括的連携協定を締結したと発表した。既に同センターでは、小児用医薬品の審査で職員がPMDAに協力するなどの人材交流を進めてきたが、今回の協定により、新たに小児用医薬品や医療機器に関するセミナーなどを実施し、小児の服薬環境の改善につなげたい考えだ。PMDAが包括的連携協定を結ぶのは9件目となる。
同センターは、小児・周産期・母性医療を専門とするナショナルセンター。小児癌の治療や研究、新薬や新医療機器の創出を目的とした臨床研究、妊婦の服薬に関する情報収集などを行っている。医薬品に関する取り組みでは、製薬企業が消極的な小児用剤形の開発に取り組んでいるほか、PMDAの新薬審査に協力するなど、以前から人材交流を進めてきた。
今回の協定締結により、同センターは小児医療に関するセミナー、トレーニングをPMDAの職員に提供する。一方で、PMDAは、これら同センターが行うセミナー、トレーニングに職員を派遣し、医薬品・医療機器の審査に関する規制当局の考え方を伝える。また、小児・周産期・母性医療、再生医療に関する情報共有や継続的な意見交換を行うと共に、早期の新薬の上市を目指し、小児用剤形の開発に関するデータを共有する可能性もあるという。
PMDAは、質の高い臨床研究を行う医療機関や研究機関と協力体制を構築する包括的連携協定を、既に国立がん研究センター、東北大学など8機関と締結。それぞれの専門機関の強みを生かした特徴的な内容の協定に合意している。