DMCの推奨を受けて225症例から360症例に増やし継続
シンバイオ製薬株式会社は1月18日、2011年7月に導入した抗がん剤rigosertib(リゴセルチブ)のライセンサーである米オンコノバ社が、1月17日に低メチル化剤による治療において効果が得られない(HMA不応)または治療後に再発した高リスク骨髄異形成症候群(MDS)患者を対象とした第3相国際共同試験(INSPIRE試験)の中間解析結果を踏まえた今後の方針を発表したことを公表した。
オンコノバ社は、同試験の中間解析の結果、事前に計画した統計学的な基準に基づき症例数を増加した上で同試験を継続する旨をデータモニタリング委員会(DMC)より推奨を受け、これに従い同試験の症例数を225症例より360症例に増やし継続することを決定したという。
新たな作用機序を有する低分子の抗がん剤
MDSは、造血幹細胞の異常によって造血障害が起き、その結果、血球が減少する疾患。急性骨髄性白血病(AML)への移行が高い確率で見られる予後不良の難治性疾患だ。MDSは高齢者に多く認められるため、高齢化に伴い患者数が増加する傾向にある。多くの患者が輸血に依存するなどの現状から、新しい治療方法が求められている。国内のMDSの薬物治療患者数は推計7,700人とされる。
リゴセルチブは、がん関連遺伝子産物Rasの作用を阻害することで、PI3Kなど複数のキナーゼ(リン酸化酵素)の作用を妨げ、がんの生存や増殖に必要な細胞内シグナルの伝達を抑制することで、がん細胞を死滅させる新たな作用機序を有する低分子の抗がん剤。シンバイオは、2011年7月にオンコノバ社との間でライセンス契約を締結し、リゴセルチブの日本および韓国における独占的開発権及び販売権を取得している。
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・シンバイオ製薬株式会社 プレスリリース