適切な口腔内ケアの欠如はさまざまな副作用の原因に
順天堂大学と株式会社Temariは1月12日、小児がん患児治療への、ウェアラブルデバイス「シャカシャカぶらしキット」導入を中心とした、口腔内ケアに関する共同研究を実施すると発表した。
画像はリリースより
小児がん患児への集約的治療により救命率が大きく向上した一方で、それに伴う副作用によって治療継続が難しくなるケースも少なくない。そのひとつとして、適切な口腔内ケアの欠如による口内炎の発症がある。また、小児がん患児への適切な口腔内ケアの欠如は、虫歯、歯の変色、歯根の発達不足、口腔内細菌叢や腸内細菌叢にまで影響し、さまざまな副作用を引き起こすと考えられている。しかし、小児にとって正しい歯磨きの習慣化は困難を伴い、適切な口腔内ケアがなされていないのが現状だ。
デバイスがキャッチした歯ブラシの動きをアプリでデータ化
シャカシャカぶらしキットは、大学や病院との連携のもと、Temariが開発したウェアラブルデバイス。同デバイスを小児が普段使用する歯ブラシに装着することで、歯磨きをモニタリングできる。また、専用アプリと連携し、ゲーム感覚で楽しみながら正しい歯磨きを学ぶことが可能。キャッチした歯ブラシの動きはアプリによってデータ化されるため、歯磨きの指導・サポートをより正確に行え、口腔内ケアの改善が期待できるという。
小児がん患児に適切な口腔内ケアを定着させ、口腔内細菌叢がどのような変化をもたらすかを測定・分析し、腸内細菌叢との関連性やその効果を解明することで、集約的治療から生じる副作用のメカニズムの解明や将来の2次がん発生の予防の実現を目指すとしている。
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・順天堂大学 プレスリリース