調査は、大病院等による敷地内薬局誘致の現状を把握するため、2017年8月に都道府県薬剤師会の協力を得て行ったもので、誘致の件数は28都道府県で51件(誘致予定15件)だった。
このうち、大学病院などを含めた「国公立病院」の15都道府県19件(9件)、「その他(民間等)」の16都道府県23件(3件)が多く、全体の8割程度を占めた。日赤病院などの「公的病院」は8都道府県8件(2件)で、「社会保険病院」は1都道府県1件だった。一方、誘致予定も含め「誘致の事例なし」は19都道府県だった。調査結果は、厚生労働省にも報告するという。
石井甲一副会長は、敷地内薬局誘致に関するこれまでの報道では、国公立病院や公的病院が「目立っていた」ものの、今回の調査結果から、「その他(民間等)」が「意外に多かった」との印象を語り、「どういうところなのか把握する必要がある」と述べた。
また、敷地内薬局に対し、2018年度診療報酬改定で低い調剤基本料を設定することが検討されていることに触れ、「どのような点数になるのか」によって、敷地内薬局の誘致を計画している病院が「どのような行動に移るのか」を注視していく必要があると指摘。改定の結果を踏まえ、日薬としての対応を検討する考えを示した。
■18年度改定率 65点くらい‐山本会長
また、この日の会見で山本信夫会長は、技術料割合に基づく医科:調剤の配分比率「1:0.3」が維持され、調剤0.19%増となった18年度診療報酬改定率について、100点満点で「65点くらい」の自己採点をつけた。
日本医師会の横倉義武会長は、今回の改定率の自己採点を「60点」と評しているが、チェーン薬局による不祥事が相次ぎ、調剤の技術料が「マイナスになるのではと言われていた」状況下で、財源を確保できたことを強調し、「100点だとおこがましいが、60点だと落第点になってしまう。5点くらいは褒めてほしい」と述べ、日医より高い点数をつけた理由を説明した。
ただ、調剤報酬では、改定の外枠で「いわゆる大型門前薬局に対する評価の適正化」が行われ、国費ベース60億円程度の削減が見込まれており、100点満点からマイナス35点とした理由として、「外枠部分」を挙げた。
それでも、「まじめにやっている大半の薬剤師」のため財源が一定程度確保できたことから、「土俵から出ずに何とか踏みとどまった」と及第点を与えた。