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インプラント周囲炎の原因となるバイオフィルムをキャビテーションで洗浄-昭和大ら

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2018年01月09日 PM12:30

歯周病と類似した症状を示すインプラント周囲炎

昭和大学は2017年12月27日、インプラント周囲炎の原因となるインプラントフィクスチャー表面に付着するバイオフィルムを、キャビテーションを使って洗浄できることを実証したと発表した。この研究は、同大歯学部歯周病学講座の山田純輝助教、滝口尚講師、山本松男教授と、東北大学大学院工学研究科ファインメカニクス専攻の祖山均教授らの研究グループによるもの。研究成果は、歯科用インプラントの専門誌「Implant Dentistry」に掲載された。


画像はリリースより

歯の欠損に対する治療のひとつとして歯科用インプラントがあるが、口腔内環境や習慣により、歯周病と類似した症状を示すインプラント周囲炎が問題となっている。インプラント周囲炎が進行し、フィクスチャーが口腔内に露出すると、粗面加工されたフィクスチャー表面に細菌が付着しやすくなる。インプラント表面の清掃方法として、歯ブラシや歯石を取るスケーラーなどはあるが、十分に除去できるとはいえない。

キャビテーションとは、液体が高速で流れる際、圧力が低下して気体(泡)に相変化する現象。流速の低下により気体から液体に戻る気泡の圧潰時に衝撃力が発生する。

180秒間の噴射で約87%のバイオフィルムを除去

今回の研究では、ヒト口腔内にてインプラントフィクスチャー上に形成したバイオフィルムを対象に、キャビテーション噴流による除去効果を評価。その結果、180秒間の噴射によって約87%のバイオフィルムの除去に成功したという。

また、フィクスチャーのネジ山部とネジ谷部に区分して解析した結果、従来の機械的清掃方法では到達が困難なネジ谷部で、約95%のバイオフィルムの除去が確認された。キャビテーション噴流による洗浄後のフィクスチャーを走査型電子顕微鏡で観察したところ、損傷は観察されなかったという。

今回の研究の結果より、キャビテーション噴流はインプラント表面の新たな洗浄方法への応用が可能だと考えられるという。この技術は、薬剤を用いることなく水だけを使用する点で安全性が高く、歯科医療の現場だけでなく患者が用いるセルフケア製品への応用も期待できる、と研究グループは述べている。

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