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タシグナ、小児の慢性骨髄性白血病治療薬として追加承認-ノバルティス

読了時間:約 1分44秒
2017年12月27日 AM11:45

ATPと競合的に拮抗しBCR-ABLチロシンキナーゼを阻害

ノバルティスファーマ株式会社は12月25日、「タシグナ(R)カプセル50mg・150mg・200mg」(一般名:)について、慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病()を効能または効果として、小児に対する用法および用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。2017年11月29日に薬価収載された同剤の新剤形である50mgカプセルは、12月25日付けで発売となっている。


画像はリリースより

タシグナは、ATPと競合的に拮抗し、BCR-ABLチロシンキナーゼを阻害することにより効果を発揮するチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)。世界120か国以上で、「グリベック」(一般名:イマチニブメシル酸塩)を含む少なくともひとつの前治療に抵抗性か不耐容の慢性期または移行期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)成人患者の治療薬、初発慢性期のPh+CML成人患者の治療薬として承認されている。

国内では、タシグナカプセル200mgが2009年1月に「イマチニブ抵抗性の慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病」を適応症として承認取得後、2010年12月に「慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病」に適応拡大。タシグナカプセル200mgの承認事項一部変更承認、タシグナカプセル150mgの製造販売承認を取得。また、2017年9月にタシグナカプセル50mgの製造販売承認を取得している。

国内ではTKIとして初めての小児CMLへの適応

CMLの標準治療は、国内外ともにTKIによる治療だが、国内で承認されているTKIはいずれも小児のCMLに対する適応を有していなかった。そのため今回、CMLの小児患者に対する同剤の至適用法・用量の検討を目的とした開発を行ったという。

今回の承認は、初発もしくはイマチニブまたはダサニチブに抵抗性または不耐容の慢性期CMLの小児患者58例(日本人9例を含む)を対象にした国際共同第2相試験に基づくもの。初発の慢性期CML小児患者のうち、主要評価項目であるサイクル12時点までに少なくとも1回分子遺伝学的効果(MMR)が得られた割合は、64.0%(25例中16例)(95%信頼区間(CI):42.5,82.0)だった。イマチニブまたはダサニチブ抵抗性または不耐容のCML小児患者のうち、MMRが得られた患者の割合はサイクル6時点で39.4%(33例中13例)(95%CI:22.9,57.9)だった。

なお、小児患者で観察された主な副作用は、頭痛(27.6%)、高ビリルビン血症(20.7%)、発疹(20.7%)、悪心(15.5%)、斑状丘疹状皮疹(13.8%)、嘔吐(12.1%)、脱毛症(10.3%)等だったとしている。

 

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