医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > HF10/ニボルマブ併用、悪性黒色腫対象の医師主導治験を開始へ-タカラバイオ

HF10/ニボルマブ併用、悪性黒色腫対象の医師主導治験を開始へ-タカラバイオ

読了時間:約 1分11秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年12月25日 PM12:00

単純ヘルペスウイルス1型から作られた腫瘍溶解性ウイルス

タカラバイオ株式会社は12月21日、米ユタ大学ハンツマンがん研究所が実施する、悪性黒色腫対象の腫瘍溶解性ウイルスHF10と抗がん剤ニボルマブ併用による術前免疫療法の医師主導治験に対し、同社が開発中のHF10を治験薬として供給する契約を締結したと発表した。

腫瘍溶解性ウイルスは、正常な細胞内ではほとんど増殖せず、がん細胞内で特異的に増殖する。増殖によって直接的にがん細胞を破壊し、その際に放出されたウイルスが周囲のがん細胞に感染する。また、破壊されたがん細胞の断片ががんに対する宿主の免疫を活性化することで、投与部位以外のがんも縮小することが期待されるという。

HF10は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の自然変異弱毒化株で、がん局所に注入することで顕著な抗腫瘍作用を示すという。なお、同社は2016年12月に大塚製薬株式会社とHF10に関する国内独占的ライセンス契約を締結している。

ステージIIIB・IIIC・IVM1a切除可能な悪性黒色腫患者を対象に

同社はHF10の臨床開発を国内外で推進しており、米国では、切除不能な悪性黒色腫を対象とした抗がん剤イピリムマブとの併用第2相試験で安全性・効果に関し、良好な結果を得ているという。

今回、ハンツマンがん研究所が実施する試験では、イピリムマブ同様、悪性黒色腫の治療薬として普及が進むニボルマブとHF10との併用試験を予定。対象患者は切除可能な悪性黒色腫患者(ステージIIIB、IIICおよびIVM1a)で、目標症例は20例。主要評価項目は12週間の術前免疫療法後の病理学的奏効率で、試験期間は2018年1月~2022年10月を予定している。

また、同社は国内においても、悪性黒色腫および膵がん対象にHF10の開発を進めており、国内におけるHF10の早期の承認を目指していくとしている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK
  • シベプレンリマブ、IgA腎症P3試験で主要評価項目を達成-大塚製薬
  • チルゼパチド、肥満症の日本人対象P3試験で有意な体重減少効果-リリー
  • エブリスディ2年データ、SMA小児の多くが独立歩行可能となったことを示す-ロシュ
  • 点滴ライン整理用の「カラフルホルダー」開発、ワンタッチで長さ調節可-東北大ほか