調剤報酬に関わる個別指導を実施した保険薬局は1598件、薬剤師は2326人、新規個別指導を行った保険薬局は2420件、薬剤師は2880人、集団的個別指導を行った保険薬局は4130件、適時調査を行った保険薬局はなく、監査を行った保険薬局は7件、薬剤師は40人だった。個別指導件数は前年度に比べて増加傾向にあり、厚労省は「薬局数の増加と関係している」との見方を示している。
保険指定取り消しとなったのは、宮崎県の「はまゆう薬局」の1薬局で、調剤報酬の返還金額は精査中。薬剤服用歴の記録に服薬指導の要点を記載せず、過去の薬歴に基づく服薬指導を行っていないにもかかわらず、薬剤服用歴管理指導料を請求していたり、算定要件を満たさない調剤技術料と薬剤料を不当請求していたことなどが判明した。同薬局は16年7月28日付で指定を取り消されている。
また、医科と歯科を合わせると67施設、223人に監査を行い、指定取り消し相当を含めて26施設の指定と20人の登録を取り消した。指定取り消しは前年度から10施設減り、登録取り消しも5人減った。
不正内容は、架空請求、付け増し請求、振替請求、二重請求など不正請求がほとんどを占めた。取り消し処分のきっかけは、保険者や医療従事者、医療費通知に基づく被保険者からの通報が18件と取り消し件数の過半数を占めた。
医療機関等からの返還金額は、約89億円(指導で約40億9000万円、適時調査で約43億6000万円、監査で約4億5000万円)で、前年度より約35億4000万円と大幅に減少した。特に適時調査の件数が増えたことで返還額が減っており、厚労省は「調査手法などの標準化を進めた結果、より効率的で効果的な調査が行われたため」と分析している。内訳は、医科が約81億円、歯科が約5億円、薬局が約3億円。