治療医師の選択による化学療法と比較した第3相試験で
米ファイザーと独メルクは11月28日、前治療歴がある進行性胃がんを対象に、バベンチオ(一般名:アベルマブ)単剤を治療医師の選択による化学療法と比較した第3相JAVELIN Gastric 300試験で、主要評価項目の全生存期間(OS)の優位性が示されなかったことを発表した。
アベルマブは、PD-L1を特異的に阻害するヒト型抗体。国内では2017年9月に「根治切除不能なメルケル細胞がん」を適応症として製造販売承認を取得し、11月22日に販売開始している。
PD-L1発現の有無にかかわらず371名の患者を登録
JAVELIN Gastric 300試験は、2回の前治療後に病勢進行した切除不能、再発または転移性胃がん、または胃食道接合部腺がんを対象に、アベルマブに支持療法を加えた群と、医師が選択したパクリタキセルまたはイリノテカンの単剤治療のいずれかの化学療法に支持療法を加えた群を比較検討した、第3相ランダム化非盲検多施設国際共同試験。同試験には、アジア、オーストラリア、欧州、北米、および南米の147施設が参加し、PD-L1発現の有無にかかわらず患者371名を登録した。
同試験の結果、OSの化学療法に対する優位性は示されなかったという。また同剤の安全性プロファイルは、JAVELIN臨床開発プログラムで認められたものと全般的に同様だったとしている。なお、同試験のデータの詳細な解析結果は、今後の学会で発表する予定。また、この結果は、現在承認を得ているアベルマブの適応症に影響を及ぼすものではないとしている。
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・ファイザー株式会社 プレスリリース