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光線力学診断用剤アラグリオ、販売開始-中外製薬

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2017年12月20日 PM01:15

筋層非浸潤性膀胱がんの識別性を向上

中外製薬株式会社は12月18日、光線力学診断用剤「(R)顆粒剤分包1.5g」(一般名:アミノレブリン酸塩酸塩)の販売を12月19日より開始すると発表した。同剤は、SBIホールディングス株式会社の子会社で5-アミノレブリン酸(ALA)を利用した医薬品の研究・開発を行っているSBIファーマ株式会社が開発。「経尿道的膀胱腫瘍切除術時における筋層非浸潤性膀胱がんの可視化」を効能・効果として、2017年9月27日に製造販売承認を取得し、11月22日に薬価基準に収載されていた。

アラグリオは、その代謝物であるプロトポルフィリンIXが青色励起光の照射により腫瘍病変が赤色蛍光を発することを利用した光線力学診断(PDD)用剤で、前述の効能・効果としては世界で初めて承認された希少疾病用医薬品。)にアラグリオを用いたPDDを組み合わせることで、筋層非浸潤性膀胱がんの識別性が向上し、TURBT後の再発および進展抑制に対する臨床的有用性が期待されている。

白色光源のみでのTURBT、術後5年以内に31~78%が再発

ALAは、体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸。焼酎や赤ワイン、高麗人参等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られる。ヘムやシトクロムというエネルギー生産に関与する機能分子の原料となる重要な物質だが、加齢に伴い生産性が低下する。

TURBTは、開腹せずに尿道から手術用内視鏡(膀胱鏡)を挿入し、膀胱を温存しながら腫瘍を切除する術式。筋層非浸潤性膀胱がんは、膀胱筋層への浸潤を有さない比較的早期の膀胱がんで、膀胱がん全体の約70%を占める。基本的に初期治療としてTURBTによる膀胱温存を目指した治療が行われるが、従来の白色光源のみによるTURBT施行では、31~78%が術後5年以内に再発するとされている。

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